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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

スウェーデンとフィンランド、NATO加盟に意欲

 ロシアのウクライナ侵略にともない、ロシアと国境を接しているフィンランドと、国境は接していないものの東隣のスウェーデンが、早ければ6月初めにもNATOへの加盟申請を行うとの観測がでています。

 フィンランドとスウェーデンが加盟すれば、NATOは32カ国となります。
 アメリカ国務省の高官は、NATO首脳とフィンランドとスウェーデンの各外相との間で議論が実施されたと述べていて、アメリカ当局もこの動きを支持しているとみられています。

 フィンランドでは、令和4年4月中旬、議会に情報機関による安全保障報告が提出される予定です。
 スウェーデンの与党・社会民主党は伝統的にNATO加盟に反対してきましたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、その立場を再考するとしています。

 フィンランドはロシアと1340キロにわたって国境を接していて、ウクライナ侵攻によって国内の不安が増しています。
 スウェーデンは、ロシアと接していませんが、バルト海の真ん中に位置するゴトランド島(ゴットランド島。北部の街ヴィスビーは宮崎駿監督の映画「魔女の宅急便」のモデルになった美しい街です)がスウェーデンの領土で、古くから戦略的要衝地です。
 わずか南東250キロにロシアの飛び地カリーニングラードがあり、そこにロシアはバルチック艦隊の司令部を置いていますから、いつ何時攻撃されるかも知れません。

 ロシアのウクライナ侵略前、ロシアはNATOにこれ以上の拡大を止めるよう求めていました。
 しかし、ロシアのウクライナ侵略を受けてNATOは部隊を東方へと移動させ、スウェーデンとフィンランドの加盟にも支持が集まる結果となっています。

 NATOは1949年、ソヴィエト連邦拡大の脅威に対抗する形で結成されました。
 しかし、ベルリンの壁が崩壊し、また、ソ連が分解した後には、旧共産国の東欧各国も次々と加盟しました。

 NATO加盟国は条約の下、1つの加盟国に対する攻撃はNATO全体の攻撃とみなし、支援を行うことで合意しています。

 スウェーデンとフィンランドは、防衛費も拡大しています。

 フィンランドの軍高官は、令和4年4月11日、軍用ドローンの購入に新たに1400万ユーロ(約19億円)を投じる計画を発表しました。
 スウェーデン当局も3月、令和4年度の軍事費を30億スウェーデンクローナ(約395億円)増額すると述べています。

 ロシアによるウクライナ侵略は、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟というオウンゴールをもたらすことになります。
 ただ、紛争中の国はNATO加盟できませんから、ロシアがスウェーデンとフィンランドに侵略戦争をしかけるという、ウルトラCの可能性は残っています。
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