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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

スイス銀行の預金の匿名性

 「スイス銀行」というのは実在するでしょうか
 ゴルゴ13の報酬は「スイス銀行への送金」が定番ですね。

 ちなみに、スイスの中央銀行・発券銀行はスイス国立銀行です。

 スイス連邦には4種の公用語があるため、ドイツ語では「Schweizerische Nationalbank」、フランス語では「Banque Nationale Suisse」、イタリア語では「Banca Nazionale Svizzera」、レト・ロマンシュ語では「Banca Naziunala Svizra」と呼ばれます。

 中央銀行・発券銀行なので、個人が口座を開設することはできません。

 「スイス銀行」という1つの銀行があるというわけではなく、スイスに本店所在地があるプライベート・バンク、あるいは、スイスに本店所在地がある銀行(UBS、クレディスイスなど)のプライベートバンク部門を総称して「スイス銀行」といいます。

 対象は、もちろん富裕層です。最低でも、邦貨換算3~5億円以上の金融資産保有者を対象にしている自然人・法人に対し、金融商品の提供や資産運用のアドバイスといった様々なサービスを提供することを主な仕事としています。

 スイスのプライベート・バンクは、金融資産の運用だけでなく、税金や相続、不動産投資などのコンサルティングなどが売り物です。

 また、スイスのプライベート・バンクを利用する際の大きなメリットとして、「匿名性」があげられます
 銀行は、投資家個人の名義ではなく、銀行の名で投資を行ないます。

 世界中どこで株式、債券、ファンドを買ったとしても、その真の所有者を知っているのは当該銀行の、ごく少数の担当者だけで、投資家の個人情報は、「銀行及び貯蓄銀行に関するスイス連邦法」に守られて外部には一切漏れないとされています。
 また、名義を伏せた「ナンバー・アカウント」(番号口座)の存在も、その特徴とされています。

 古くは、第二次世界大戦時には、ナチスの資産も流入し、その中には迫害したユダヤ人から没収した金なども預入れの対象となりました。

 しかし、時代は変わっています。

 ロシアのウクライナ侵略にともなう経済制裁で、ロシアの要人の海外資産が凍結されています。

 ロシアの新興財閥であるオリガルヒらの資産の隠し先の一つとみられていたスイスも情報公開に動きました。

 かつては秘密主義で知られたスイスの金融機関ですが、スイス銀行協会(SBA)は令和4年3月18日、国内の銀行に保管されているロシアの富裕層の資産が総額1500億~2000億スイスフラン(約19兆2000億~25兆6000億円)に上るとの概算を発表しました。
 また、プライベートバンクも個人への融資実績などを公表しました。

 もはや、スイスの金融機関に預けても、秘匿は困難になりました。
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