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雑記帳

メルカトル図法

 メルカトル図法は、地学者ゲラルドゥス・メルカトルがオランダで発表した地図に使われた地図投影法のことです。
 メルカトル図法この図法の特長は、「地球を地球の中心から円筒に投射し、それを書き写したものを長方形に広げたものです。

 1枚の長方形の中に世界全図を書き込む事ができ、経線からの角度が正しい等角図法であるため、海図・航路用地図としてよく使われます。

 メルカトル図法の地図においては、出発地と目的地との間に直線を引いて経線となす角度を測り、コンパスを見ながら常にその角度へ進むようにすれば必ず目的地に到着します。

 このコースは「航程線」と呼ばれ、多くの場合実際の最短距離(「大圏コース」と呼ばれます)から大きく外れますが、舵取りが容易であることから、羅針盤の発明された時代から広く利用されてきました。

 メルカトル図法は、直線上の方向は正確ですが、距離や面積に関しては不正確と言う欠点があります。

 北極、南極に近づくにつれ緯線が広くなる特徴を持ち、極近辺は無限遠となって記述すらできなくなるので、極の部分はカットされます。

 ですから、緯度の高い国ほど、面積が大きく見えます。グリーンランドは、地球儀で見ると、 そう大きくありません。

 かといって、地球儀の模型をつくるような、中膨れの短冊を並べたような地図は、面積は正確でしょうが、あまり利用価値はありません。

 また、メルカトル図法によると、日本からハワイ、ハワイからアメリカ本土の西海岸までは、少し、南に寄っているかなという程度ですが、地球儀をみると、とんでもない遠まわりであることがわかります。

 メルカトル図法を見慣れていると、航空機が日本からヨーロッパに行くとき、上に大きくふくらんで、シベリアを通る理由がわからなくなります。
 地球儀をみると、そのコースが最短だとわかります。

 ロシアのウクライナ侵略により、日本からヨーロッパに飛行機で行くとき、ロシア上空を飛べなくなりました。

 右上の図を見ていただければ、なぜ、日本からヨーロッパに飛行機で行くとき、ロシア上空を飛んでいるのかわかるかと思います。
 最短距離だからです。

 ロシア上空を飛べないとなると、アラスカ付近を飛ぶ北まわり、アジア・中近東を飛ぶ南回りいずれか選択しなければなりません。

 なお、最近の飛行機は性能がいいですから、アンカレッジで給油したり(私が、ドイツ留学したとき、アンカレッジで給油し、目的地であるハンブルクに向かいました)、東南アジアで給油する必要はありませんが、とんでもない長い距離になります。
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