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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ステルス値上げの実態

 原油価格の高騰や円安などにより、身の回りのものの物価が上がっています。

 ガソリンの他、インスタントラーメン(袋、カップ)や、牛丼の値段の値上げは大きく報道されています。

 ガソリンのように、リッター○○○円と販売されているものは、ごまかしようがありません。
 また、インスタントラーメンの袋やカップを小さくするわけにいきませんし、牛丼のどんぶりの大きさを小さくするわけにはいきません。
 ですから、結構大きなニュースになります。

 「ステルス値上げ」とよばれるものもあります。
 英語ではshrinkflationと呼ばれます。shrink+flationで、そのままですね。

 コンビニ弁当を上げ底する、菓子類、例えば、チョコレートの1箱の個数を減らす、例えば、ポテトチップスの量を減らす、ヨーグルトの大きさを小さくする、バターやマーガリンの1箱の量を減らす、いろいろあります。
 インスタントラーメンも、カップの中の麺を少なくしているメーカーもあります。

 値段が変わらずにサイズが小さくなるのは実質的な値上げですから、こっそりと値上げしているという意味で「ステルス値上げ」とよばれます。

 ただ、近年は、高齢化や家族人数の減少などを反映して、小さいサイズの商品へと消費者の需要がシフトしています。
 この需要シフトに企業が対応するかたちで小型化を進めた場合は、容量・重量が減少したとしても、それはむしろ消費者の満足度を高めるもので、実質値上げを意図するものではありません。

 需要シフトが原因で小型の新商品が投入される場合は、前世代の商品の販売も継続されることが少なくありません。
 つまり、企業は大きいサイズと小さいサイズの両方を販売することで商品の多様化を図り、消費者の選択肢を広げていると言えます。

 これに対して、実質値上げの場合は、前世代の大きなサイズの商品が同じ値段で店頭に並ぶのは都合が悪いので、前世代の商品は生産打ち切りとなります。

 高齢化や家族人数の減少などを反映した正当な値上げか、ステルス値上げかどうかは、前世代の大きなサイズの商品が同じ値段で店頭に並んでいるかどうかによって区別が付きます。


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