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雑記帳

衆議院小選挙区「10増10減」

 衆院選挙区画定審議会は、令和4年2月21日の会合において、衆院小選挙区を「10増10減」する区割りの基本方針をまとめました。

 小選挙区を巡る1票の格差を是正するためで、令和4年6月25日までに具体的な線引きを決めて岸田文雄首相に新たな区割り案を勧告します。

 令和2年の国勢調査の結果に基づき、東京の選挙区を5議席増のほか、神奈川を2議席増、埼玉、千葉、愛知をそれぞれ1議席増とします。
 逆に、宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の各県は1議席減とします。

 衆院選挙区画定審議会は、首相の諮問機関にあたります。
 令和2年の国勢調査で最も人口が多かった東京22区と、最少だった鳥取2区の格差は2.096倍でした。
 1票の格差が広がると法の下での平等を定める憲法との整合性が問題となります。
 高裁レベルで「合憲」と「違憲状態」がわかれています。

 選挙区の数の割り振りは10年に一度の大規模な国勢調査をもとに改めるのが原則です。
 衆院の定数が変わらない限り、令和12年に実施する次の大規模調査の結果が出るまでは変わりません。

 衆院選挙区画定審議会は、選挙区の線引きをする際の基本方針として、以下のとおりに決めました。
1 市区町村は原則分割しない
2 各選挙区の人口は最も少ない鳥取2区以上、その2倍未満とする
3 1つの選挙区のなかに他の選挙区が入り込む「飛び地」は避ける

 市区町村単位の改定で1票の格差を是正できないときは例外として、同じ市区町村内で選挙区を分割します。

 私の住む西宮市は兵庫7区ですが、西宮市の選挙区が分割されています。

 本来の西宮市(市外局番が0798)と芦屋市が現在の兵庫7区ですが、平成29年までは、西宮市全体と芦屋市が兵庫7区でした。
 本来の西宮市以外(山の向こう。名塩、生瀬、山口。阪急神戸線、阪神本線、JR神戸線では行けず、JR福知山線の西宮名塩駅で降りてバスで行くそうです)は、神戸市北区など兵庫2区に移っています。

 令和2年の国勢調査に基づいて人口比により近い配分が可能な「アダムズ方式」で小選挙区の数を配分することは平成28年に成立した衆院選挙制度改革関連法ですでに決まっています。

 同じ政党内で選挙区調整が難航する可能性もあります。

 たとえば小選挙区が1減する10県のうち滋賀、岡山、山口、愛媛の4県は自民党が県内の全選挙区の議席を持っています。
 選挙区の数が減れば、現職議員同士で小選挙区の公認を争うことになりかねません。

 和歌山県などは、3選挙区から2選挙区に減ります。
 和歌山1区は国民民主党の議員が選挙に強いですが、和歌山2区、3区は自民党の議員です。
  世耕弘成参議院議員が、首相候補として名乗りを上げるため衆議院議員に鞍替え出馬をすることが確実で、世耕参議院議員と、2区と3区の自民党議員いずれかが落選する
ことになります(二階俊博前幹事長は引退の見込みというのが一般的です。但し、こればかりはわかりません。)。


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