本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

医学部合格率、初の男女逆転

 令和3年度の医師養成課程をもつ大学の医学部入学試験の合格率が、女性の方が男性よりも高いという結果が出ました。

 全国の国公私立81大学の入試結果を集計した文部科学省によると、受験者総数に占める合格者総数の割合は男13.51%、女13.60%でした。

 東京医科大学が、女性受験生と、何年も浪人している受験生の小論文成績を減点するなどして合格者数を抑えようとしました。

何年も浪人している受験生の場合は、地頭が芳しくない、伸びしろが狭いという理由でしたし、女性受験生の場合は、深夜・早朝勤務や長時間勤務になりがちな診療科を敬遠する傾向 があり、好ましくないということでした。

 ちなみに、司法試験の場合、何回も不合格になっている受験生と、さほど不合格になっていない受験生を分け、何回も不合格になっている受験生は何点で合格、さほど不合格になっていない受験生は、それよりも低い点で合格という制度を堂々と導入したことがありました。

 司法試験の場合、裁判官や検察官になる司法修習生の場合、若いうちは、先に合格して任官している方が目上、後に合格して任官している方が目下として扱いますが、何年も不合格になっている人がいる場合、年長者が年少者の下に配属されるのは、人事をする上で好ましくないので、ある意味、年長者は足きりするというのは当然といえば当然なのですが、弁護士の場合は、そんな配慮は要りませんから、不公平は不公平ということになります。

 また、司法試験の場合、透明性を重視して、さほど不合格になっていない受験生の場合の合格点数は何点、何回も不合格になっている受験生の場合の合格点数は何点と、わかるように公表したので、何回も不合格になっている受験生の不満は結構高かったようです。

 現在は、廃止になっています。

 司法試験の場合は、あらかじめ公表して試験を実施したので、受験生はその制度を了解した上で受験したとみなされました。
 正々堂々とやっていますから、制度の当否はともかく、あとになって「ずるい」との批判はなされません。

 東京医科大学の場合は、あらかじめ公表せず、こっそりと、女性受験生と、何年も浪人している受験生の小論文成績を減点するなどしていましたから、猛批判をあびました。

 東京医科大学の事件を受けて文科省は、平成25年から平成30年度の全医学部の合格率を男女別に公表しました。
 平成31年度以降も、全医学部の合格率を男女別に公表するようになりました。

 平成31年度は男12.11%、女11.37%、令和2年度が男12.56%、女11.42%でした。
 合格率をさかのぼれる平成25年度以降で、女性が男性を上回ったのは令和3年度が初めてでした。

 ということで、令和3年度の医師養成課程をもつ大学の医学部入学試験の合格率が、女性の方が男性よりも高かったというニュースになりました。
 もっとも、差は知れています。

 女性医師は増えましたね。
 ただ、合格率はともかく、受験生自体が多くないので、女性医師が男性医師の数を上回るということは、当面なさそうです。


TOPへ戻る