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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ミニマックス原理とマクシマックス原理



 不確定要素を含む意思決定を行う場合の判断基準については、主として、マクシミン原理(maximin principle)=ミニマックス原理(mini-max principle)と、マクシマックス原理(maximax principle)があります。

 マクシミン原理(maximin principle)=ミニマックス原理(mini-max principle)とは、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最悪の場合の利得を考え、損害をした場合に一番損害が少ないようにする戦略です。

 これに対し、マクシマックス原理(maximax principle)といって、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最もうまくいった場合の最大利得を考え、これが最大となる戦略を選択することです。

 一般的に、慎重な人や悲観的な人は、マクシミン原理・ミニマックス原理を選択しがちですし、強気の人や楽観的な人はマクシマックス原理を選択しがちです。

 私の場合、自分のことと、自分が弁護士としててがけている事件で違います。

 私は、事柄にもよりますが、自分のことについては、損によるダメージよほどが大きいものでなければ、マクシマックス原理をとります。

 理由は簡単で、私は自分には「運」があると信じていますから。
 また、だめなら、自己責任で問題はなくなります。

 事件の場合は逆です。

 基本的には、依頼者に説明して、依頼者の同意を得て訴訟方針を決めるのですが、「先生はどちらがいいとお考えでしょう」と聞かれた場合、原則として、慎重に、マクシミン原理=ミニマックス原理をすすめます。

 自分の場合は、自己責任の範囲でどうでもいいのですが、依頼者には、例え、説明と同意(インフォームド・コンセント)を徹底しても、依頼者の「自己責任」と突き放すわけにもいきませんからね。

 もっとも、最終的に判断するのは依頼者です。


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