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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

業界用語

 「業界用語」というのがあります。
 これと区別すべきなのは、読み誤りやすい単なる間違いです。

 まず単なる間違いから。

 「相殺」「減殺」は、それぞれ「そうさい」「げんさい」と読みます。

 「殺」は、「音読み」で「さつ」「せつ」「さい」の3とおりの読みがあります。
 「さつ」と読むのは「ころす」「なくす」と言う意味の時使います。「ころす」は「殺意・殺害・自殺・銃殺」など、「なくす」「殺風景・抹殺」などです。
 「せつ」と読む場合は「ころす」という意味のみ、「殺生」(せっしょう)などと使います。
 あと「さい」と読む場合があります。これは「へらす」という意味のみで、「相殺」(そうさい)、「減殺」(げんさい)などと使います。

 法律用語で「相殺」はよくでます。「そうさつ」と読んだだけで、「素人」とわかるとともに「常識がない」と思われます。「減殺」は、「遺留分減殺」と言う言葉がよくでます。やはり、「げんさつ」と読んだだけで、「素人」とわかるとともに「常識がない」と思われます。

 次に、業界用語をみましょう。

 「競売」「競落」は、「きょうばい」「きょうらく」が、正しい読み方ということがいえます。
 ただ、法律家は、なぜか「けいばい」「けいらく」と読みます。

 理由について、いろいろな先輩方に聞いたのですが、単なる「慣習」だそうです。
「きょうばい」「きょうらく」と読んでも、常識を疑われることはありません。

 私は、できるだけ、相談者や依頼者には「きょうばい」「きょうらく」と読むようにしています。法律家どおしなら、「けいばい」「けいらく」です。

 なお「遺言」を「ゆいごん」ではなく「いごん」と読むのも全く同様です。「いごん」は法律家の読み方で、一般には「ゆいごん」が正しいです。

 医師の場合は「腹腔」を「ふっくう」と「胸腔」を「きょうくう」と読みます。
 正しい読み方は「ふっこう」「きょうこう」です。
 医師に言わせると「腹腔」を「ふっこう」と読むと「腹孔」と紛らわしい、「胸腔」を「きょうこう」と読むと「胸孔」と紛らわしい、区別するため、わざと間違った読みをしていると言います。ただ、「腹腔」「胸腔」は、しょっちゅう見ますが「腹孔」「胸孔」などという用語は未だ見たことがありません。


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