2020年バックナンバー
雑記帳
和製漢語
「和製漢語」という単語をご存じでしょうか。
明治時代、おびただしい和製漢語が日本で作られ、その漢語を中国が取り入れました。
日本は、西洋文明を受け入れるにあたって、西洋の単語で、従来の漢字による単語、かなによる単語にない単語を、主として、漢字の組合わせでつくりました。
社会・人文・科学方面の名詞など、抽象語ですが、明治の先人は苦労したようです。
もちろん、日本語には「カタカナ」がありますから、そのまま流用することは不可能ではありませんが、漢字の組合わせで、新語をつくったのは賢明でした。
文化、文明、民族、思想、法律、経済、資本、階級、分配、宗教、哲学、理性、感性、意識、主観、客観、科学、物理、化学、分子、原子、質量、固体、時間、空間、理論、文学、美術、喜劇、悲劇、社会主義、共産主義などがあります。
「和製漢語」
「中華人民共和国」の「人民」「共和国」も和製漢語であり、国名だけでなく中国の体制に必要不可欠な概念までも和製漢語には含まれています。
もしも中国が日本から、日本が作った語彙を輸入しなかったらば、毛沢東も毛沢東語録を書けなかったということになります。
なお、同じく漢字文化圏である台湾、韓民、ベトナムでもこうした和製漢語を自国語漢字音で取入れています。
ちなみに、科学用語などはわかりませんが、法律用語には「誤訳」ではないかと思われるものがあります。
民事訴訟法の「証拠方法」は「Beweismittel」の直訳でしょう「Beweis」には「証明」、「Mittel」には「方法」という意味があります。
ただ「証拠方法」という表現は日本語としておかしいですね。
証人や本人、書証、検証などを指す言葉ですが「方法」ということはには違和感があります。
ドイツで「生活用品」は「Lebensmittel」、「Mittel」は「方法」という趣旨ではありません。
「Beweismittel」の英訳は「evidence」です。
単に「証拠」と訳していいのではないかとも思います。
単に「証拠」と訳していいのではないかとも思います。