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2020年バックナンバー

雑記帳

英最強空母「クイーン・エリザベス」、日本で中国牽制に参加へ

 イギリスが、令和3年初め、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群を日本沖に長期派遣するとの報道がありました。
 
 太平洋でアメリカ、オーストラリア、日本が主導する対中牽制に、イギリスが加わることになります。
 
 イギリスの空母打撃群は沖縄県など日本の南西諸島周辺を含む西太平洋において、在日米軍の支援を受けながら自衛隊・米軍と合同訓練をする予定です。
 
 イギリス軍は、国連軍地位協定に基づき、横須賀、佐世保、沖縄など在日米軍の施設および区域(国連軍司令部の後方基地)で補給を受けることができることになっています。
 
 「クイーン・エリザベス」の艦載機F-35Bの整備も今回の派遣目的の一つに挙げられています。
 
 三菱重工業小牧南工場が、アジア太平洋地域のF-35整備拠点であるからです。F-35の定期点検と収容が、三菱重工業小牧南工場で可能かどうか調整が行われているとのことです。
 
 アメリカまたは周辺国以外の国の空母打撃群が、西太平洋で長期間活動するのは異例のことですが、これば、中国の南シナ海領有権主張と、香港の民主派弾圧に対するイギリス政府の強い懸念が背景にあると考えられます。
 
 イギリスの空母が派遣されれば中国は直ちに反発すると予想されます。
 このため海上自衛隊は中国の反発の程度を見ながら、イギリス空母に対する後方支援を調節する方針ということです。
 
 令和元年2月に、イギリスの当時のウィリアムソン国防相は「クイーン・エリザベス」を太平洋に派遣する意向を表明しました。
 令和元年11月には自衛隊の海上幕僚長がアメリカに派遣された「クイーン・エリザベス」でアメリカとイギリスの海軍トップと会談し、中国牽制を念頭に置いて3か国の協力関係が深まるという発言をしています。
 
 平成29年に就役した「クイーン・エリザベス」はイギリス海軍史上最大級の艦艇で、満載排水量6万7600トン、全長280メートルです。
 
 海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦で、F35B(STOVL型。短距離離陸・垂直着陸型)が搭載できるように改造中の「いずも」が、満載排水量2万6000トン、全長248メートルですから、「クイーン・エリザベス」は、結構大きい空母ということになります。
 
 ちなみに、昭和16年に就役した戦艦大和は、満載排水量7万2800トン、全長263メートルです。
 
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