本文へ移動

2020年バックナンバー

雑記帳

アルゼンチン

 サイモン・グズネッツーというアメリカの経済学者・統計学者がいました。昭和46年にノーベル経済学賞を受賞しています。 
 
 彼の有名な言葉のひとつに「世界には4つの国しかない。先進国と途上国、そして、日本とアルゼンチンである」という有名な言葉があります。
 先進国はいつまでたっても先進国であり続け、途上国はいつまで経っても途上国でありつづける。但し、例外はある。たった2か国だけ。
 
 米国の経済学者ポール・サミュエルソンも、世界の国々は4つのタイプに分類できる、「豊かな国」「貧しい国」、そして「日本」「アルゼンチン」であるというジョークを言っていました。
 
 日本はわかりますね。
 戦後の混乱から、奇跡的な発展を遂げた日本は、資源がほとんどない小国でありながら先進国の仲間入りを果たしました。
 昭和50年から開催された先進国7か国会議(G7。カナダ加入後。それまではG6)のメンバーで間違いない先進国です。

 他方、1900年初頭、アルゼンチンは黄金期を迎えていました。
 
 世界を制するのはアメリカかアルゼンチンかというほどの国力を誇っていたのです。
 一方アルゼンチンは、豊かな資源がありながら、工業化に失敗し、衰退し、途上国レベルまで落ちてしまいました。
 
 基本的に、あまり苦労することなく生きていける国です。
 穀物の一大産地であり、大豆油、大豆カスの輸出は世界1位、トウモロコシは2位、小麦は9位、牛肉は世界一おいしいともいわれ、上質の国産ワインが安く手に入ります。
 食べるものには困まりません。

 工業製品の多くを輸入に頼っていますが、必要な物品は隣国ブラジルから十分に入ってくきます。
 
 エネルギーや鉱物資源もあり余っています。
 技術的に採掘が可能なシェールガスの埋蔵量は、中国に次いで世界2位とされ、リチウムの生産量は世界4位、銅やアルミなど需要が伸びる金属類も生産、輸出しています。
 
 それでも、しょっちゅう国家破産(デフォルト)をしています。
 もっとも、国民には、危機感など全くないようです。
 
TOPへ戻る