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2020年バックナンバー

雑記帳

日本のデータ中継衛星打上げ

 三菱重工業は、令和2年11月29日、国産基幹ロケット「H2A」43号機の打ち上げに成功したと発表しました。
 
  今回の打ち上げ成功により、H2Aロケットの成功率は97.7%となりました。
 ロケットの打上成功は、もはやニュースにもなりません。
 
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)による地球観測衛星の観測データを地上に高速転送する中継衛星と、災害時などの情報を早く収集できるようにするため、内閣衛星情報センターの「データ中継衛星1号機」を1つの衛星として搭載しました。
 
 JAXAの「光データ中継衛星」は、レーザー光技術を使って地球観測衛星と地上の基地局を中継します。
 
 観測衛星と基地局を直接結ぶ場合に比べて、通信可能な時間を約9倍の1日平均9時間にのばすことができるとともに、センサー性能の向上に伴うデータの大容量化にも対応し、高速でデータを送れるようになります。
 
 JAXAの山川理事長は、今回の衛星打ち上げにより「国土管理や気候変動対策などに貢献できる」と話しました。
 
 内閣衛星情報センターはすでに衛星による情報収集を実用化しています。
 
 報収集衛星は、安全保障用衛星ともよばれます。日本以外の国では、偵察衛星やスパイ衛星と呼ばれている衛星です。
 
 日本の情報収集衛星は、平成10年の北朝鮮のテポドン発射を契機に打上げられています。
 報収集衛星は、地球上の特定の地点を1日1回以上撮影するため、最小限度、光学衛星2機、レーダー衛星2機が常に軌道上にあるようになっています。
 
 光学衛星は鮮明ですが、厚い雲などがあると撮影不可、レーダー衛星は光学衛星ほど鮮明ではありませんが、雲があっても撮影できます。
 
 現在は、光学衛星、レーダー衛星合わせて6機(予備機含む)の情報収集衛星が運用されています。
 政府は28年度以降に、情報収集衛星を10基体制にする計画で、今回はそのうちの1基となります。
 
 今回の「データ中継衛星1号機」は北朝鮮のミサイルの発射や災害被害といった情報を収集した衛星の中継を担い、データ中継衛星としては初の打上げとなります。
 
 菅相は、令和2年11月29日、政府の情報収集衛星などの観測データを地上に転送する中継衛星を搭載した「H2A」ロケットの打上げを受けて「情報収集衛星を最大限活用し、我が国の安全保障および危機管理に万全を期す」と述べました。
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