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2020年バックナンバー

雑記帳

厚生労働省・新型コロナで「入院」を求める患者、65歳以上、基礎疾患保有、重症、妊婦などに限定

 新型コロナウィルスの第三波が来ているようです。
 寒くなってきたからでしょう。
 
 政府は、令和2年10月14日に「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令の一部を改正する政令」および「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令第3条において準用する感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第19条第1項の厚生労働省令で定める者等を定める省令」を公布し、令和2年10月24日から施行されています。
 
 新型コロナウイルス感染症患者については、これまで一律に「入院」としてきましたが、令和2年10月24日から「入院」の対象は、以下に限定されました。
 
1 65歳以上の者
2 呼吸器疾患を有する者
3 「呼吸器疾患」のほか、腎臓疾患、心臓疾患、血管疾患、糖尿病、高血圧症、肥満その他の事由により臓器等の機能が低下しているおそれがあると認められる者
4 臓器移植、免疫抑制剤、抗がん剤等の使用その他の事由により免疫機能が低下しているおそれがあると認められる者
5 妊婦
6 現に新型コロナウイルス感染症の症状を呈し、症状が重度または中等度である者
7 上記のほか、新型コロナウイルス感染症の症状等を総合的に勘案して医師が「入院させる必要がある」と認める者
8 上記のほか、都道府県知事が「新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため入院させる必要がある」と認める者
 
 これら以外の「無症状病原体保有者」「軽症で入院が必要な状態ではないと判断される者」は、宿泊療養・自宅療養が求められ、蔓延防止のために、指定された期間、指定された内容、方法および頻度で健康状態を報告する、指定された期間、指定された場所から外出しない、その他の蔓延防止に必要な事項を遵守しなければなりません。
 
 しかし、「無症状病原体保有者」「軽症で入院が必要な状態ではないと判断される者」のうち、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のための事項(指定された期間、指定された内容、方法および頻度で健康状態を報告する。指定された期間、指定された場所から外出しない。その他の蔓延防止に必要な事項)を守ることに同意しない者については「入院」ということになります。
 
 新型コロナウイルス感染症については、感染症法に規定される「二類感染症」相当と位置付けられました。
 
 「二類感染症」には、急性灰白髄炎(ポリオ)、結核、ジフテリア、SARS、MERS、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)等が該当し、感染患者は「入院」が義務付けられます。
 
 当初は、新型コロナウイルス感染症については、毒性や治療法、感染力などが明らかになっておらず、国民の生命・健康を守るために「入院」が求められていました。
 
 その後、国際的な研究の推進、尊い犠牲を含めた医療現場での経験などからさまざまな知見を得ることができ、「重症化リスクのある者」と「重症化リスクの低い者」との鑑別が相当程度可能になってきました。
 
 そうした中で、感染患者すべてを「入院」医療で受け入れることとした場合、限られた医療資源がすぐに枯渇し(感染拡大が進んだ場合に入院病床がいっぱいになってしまう)、「真に入院医療が必要な重症患者、中等症患者」への医療提供が滞ってしまう可能性も出てきています。
 
 これらを勘案して、現状事務と、政令・省令との間に整合性をもたせたということになります。
 
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