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2020年バックナンバー

雑記帳

高齢化

 振込め詐欺が減りません。

 ある程度の高齢者で、独居している依頼者が何人かいます。
 
 電話をかけようとすると、突然、電話が通じなくなります。
 お子さんに連絡すると「振込め詐欺」対策で電話番号が変わったんです、連絡が遅れて申し訳ありませんという返事が返ってくることがあります。
 
 問題は、人が高齢化していくと、記憶力の衰えは自覚できるのに(もの忘れが悪くなったことは自分でわかります)、判断力の衰えは自覚できないところに(自分の判断は正しいと思い込んでいます)問題があります。
 
 記憶力が衰えているのですから、当然判断力も衰えているはずです。
 しかし、その事には、自分は気付けていないのです。
 
 振り込め詐欺の被害にあわれたりするのも、判断力の低下が起因するのかもしれません。

 といいながら、我々弁護士にも考えさせられる点があります。
 
 弁護士が、一体いくつまで働けるかという問題です。
 
 弁護士に定年はありません。
 ですから、70歳、80歳になっても、現役で働いている弁護士さんはおられます。
 
 しかし、弁護士も人です。
 
 一般論として、人が高齢化していくと、記憶力の衰えは自覚できるのに、判断力の衰えは自覚できないところに問題があります。
 弁護士も、自分で高齢化に伴い記憶力の衰えは自覚しているのに、判断力の衰えは自覚できないため、とんでもない判断ミスをするかもしれません。
 
 ただ、依頼者は馬鹿ではありません。
 
 高齢化により、記憶力と判断力の低下した弁護士は、自然と依頼者が離れていきます。
 
 いつでも引退できるだけの資産を持っていれば、引き際がくれば、潔く引退すれば良いのです。
 資産がない場合が問題で、収入が少なくなれば「他人様(ひとさま)の金に手を出す」弁護士がでてきます。
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