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2020年バックナンバー

雑記帳

ベーシック・インカム

 平成28年6月5日、スイスで、すべての住民に対して無条件に毎月、一定額を支給する「最低所得保障」(ベーシック・インカム)の導入をめぐる国民投票が行われ、反対が76.9%、賛成23.1%で否決されました。 
 
 市民団体が必要な署名を集めて投票が実現し、団体側は、大人に月2500スイスフラン(約27万5000円)、子供に625スイスフラン(6万9000円)を支給するとし、国内の外国人も対象としていました。
 
 大した金額のようにみえますが、スイスは、例えばビッグマックセット1700円と日本の倍近くなるなど、物価が驚くほど高い国ですから(ビッグマックだけを選ぶのは不十分という意見はあるでしょうが、「ビッグマック指数」は立派な経済用語で、あたらずといえども遠からずというところです)、日本円にすると、月額15万円~16万円といったところでしょう。

  「ベーシックインカム」とは、収入に関係なくすべての国民に無条件で毎月一定額を支給する制度です。その代わり、年金や失業保険などは廃止されます。
 
 最低所得保障をいくらにするかが問題ですが、通常は、国による年金、失業保険、生活保護費を上回わることになります。
 
 貧困や少子化などの対策に効果的だとする意見もありますが、年金、失業保険、生活保護費をなくして、例えば日本で、月額15万円~16万円で暮らしていけるのかという意見、逆に、財源が不足する、労働意欲の減退が心配されるという意見があります。
 
 導入している国はありません。ただ、フィンランドが効果を検証するため失業者など一部の国民を対象に来年から試験的に導入するほか、オランダでも自治体レベルで試験的に始まるなど、ヨーロッパを中心に導入に向けた動きがあります。

  日本のような大きな国では無理でしょう。
  まして、働かないものには厳しいお国柄です。
  働かないのか、働けないのかわからない場合、働かない者は、働く意思がない者と考えられがちです。
 
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