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2020年バックナンバー

雑記帳

強襲揚陸艦

 強襲揚陸艦(Amphibious assault ship)とは、揚陸艦のうち、輸送ヘリコプターやホーバークラフト型揚陸艇を始めとした各種上陸用舟艇を搭載・運用する能力を持つ艦を指します。
 
 単なる揚陸艦との違いは、大規模なヘリコプター運用能力と全通飛行甲板が挙げられ、また大半は垂直離着陸機を搭載・運用することによる揚陸支援攻撃能力をも持ちます。
 
 日本も、強襲揚陸艦がほしいところです。
 
 また、防衛省は、平成26年8月3日、自衛隊部隊や各種装備を輸送し上陸させる機能を持つ強襲揚陸艦を海上自衛隊に導入するための調査費を、平成27年度予算の概算要求に盛り込む方針を固めていました。
 
 しかし、実現していません。
 
 海上自衛隊には、全通飛行甲板とウェルドックを備えた「おおすみ型輸送艦」がありますが、強襲揚陸艦とは違い航空機用の格納庫やエレベーターなど航空機運用のための設備を一切持っておらず、建造当初は航行中に回転翼機を発着艦させることも出来ませんでした。
 
 その後に建造された「ひゅうが型護衛艦」や「いずも型護衛艦」は、全通飛行甲板式のヘリコプター搭載護衛艦(ヘリ空母)として建造されたため、島嶼戦に必須の水陸両用車による上陸作戦については「おおすみ型輸送艦」で代用するか、ヘリ空母によるV-22や回転翼機での兵力投射しか手段がない状況です。
 
 中国と対立している南西諸島(尖閣諸島を含む)海域での作戦を考えた場合、当然、強襲揚陸艦が必要になるので、強襲揚陸艦タイプの護衛艦が発注されるだろう言うジャパン・マリンユナイテッド社の予想は、概ね正しいと言えるでしょう。
 
 ジャパン・マリンユナイテッド社は、令和元年11月、幕張メッセで開催された防衛装備品の国際展示会「DSEI JAPAN 2019」で、海上自衛隊に提案するため強襲揚陸艦の予備設計案を発表しました。
 
 この船は、空母に改造される「いずも型護衛艦」にウェルドックを追加したような形状をしており、全長220m、全幅38m、排水量19,000トン、最大速度は24ノット、基盤乗組員は500人、垂直離着陸機「V-22 オスプレイ」や回転翼機の発着スポットは5つ分あり、デッキサイド式エレベータも採用されています。
 
 この強襲揚陸艦の予備設計案は、あくまで海上自衛隊向けに提案するためのものであり、防衛省からの受注や指示によるものではありませんが、ジャパン・マリンユナイテッド社は数年以内に、このような強襲揚陸艦タイプの護衛艦が発注されるだろうと語っています。
 
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