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2020年バックナンバー

雑記帳

IAEA事務局長、福島第1原子力発電処理水の海洋放出に支援表明

 令和2年2月27日までに、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、東京電力福島第1原子力発電所から出た放射性物質を含む処理水を海洋など環境中に放出することについて、IAEAとして支援する意向を示しました。
 
 ちなみに、IAEAの事務局長は、天野之弥前事務局長が、平成21年12月1日から、令和元年7月18日まで10年間つとめていて、グロッシ事務局長は、その後任です。
 
 政府の有識者でつくる小委員会は、令和2年1月、処理水の処分方法について海洋放出か大気中への水蒸気放出が望ましいとの提言をまとめました。
 
 ただ、地元などからの反対も根強く、最終的な処分方法の決定には至っていません。
 
 グロッシ事務局長は東京で記者会見を開き、海洋放出・水蒸気放出ともに適切だろうとの考えを示しました。
 
 グロッシ事務局長は「方法や時期の決定は日本政府の問題」とし、「われわれの最終的な分析はまだ終わっていないが、提言は理にかなった方法と体系的取り組みに基づいたものであると言える」と指摘しました。
 
 また、放出方法についても「国際的な慣行と一致している」と述べ、「他の場所でも海への放出は行われていて目新しいことではなく、不祥事でもない」と強調しました。
 一方で「重要なのは害のない方法で行うことであり、放出の前後および最中に何も問題がないか確認する監視係が必要だ」と付加えています。
 
 福島第一原子力発電所からは、放射性物質を含んだ水は原子炉を冷ますために使われた水、地下水、日々構内に浸入している雨水などさまざまな元から発生しており、大規模な濾過プロセスを通して処理されています。
 
 水中の放射性物質のほとんどは濾過によって除去されますが、技術的な理由で、トリチウムのみが濾過器では除去できません。
 
 この問題は、自国の原子力発電が、トリチウムの含まれた処理水を、日本海に放流し続けている韓国が、文句をいっているほか、漁業関係者を含む近隣住民からは風評被害の可能性を懸念する声も上がっています。
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