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2020年バックナンバー

雑記帳

「武漢ウイルス」「中国ウイルス」

 令和2年3月25日、アメリカのポンペオ国務長官は、テレビ電話会議方式で行われた先進7カ国(G7)外相会合で、中国共産党体制による新型コロナウイルス関連の「国際的なディスインフォメーション(偽情報)工作」をめぐる議論に多くの時間が費やされたと明らかにしました。
 
 また、ポンペオ国務長官は令和2年3月26日のラジオ番組で、令和2年3月25日に開催された先進7カ国(G7)外相によるテレビ電話会議で、新型コロナウイルスについて米側が主張する「武漢ウイルス」と呼ぶことに他の国々が同意しなかったと明らかにしました。
 
 ポンペオ国務長官は外相会議での新型コロナの呼称を巡るやりとりに関し「誰もが異なった理屈を持っている」と言及したうえ「識別方法は正確でなければならない。このウイルスは(中国湖北省の)武漢で始まった」と述べ、武漢ウイルスの呼称が正しいとの立場を改めて主張するとともに、「G7各国は(新型コロナを巡る)中国の偽情報キャンペーンの危険性を全会一致で理解しており、この動きに反対するために一緒に行動することに同意している」と強調しました。
 
 ポンペオ国務長官は、新型コロナウィルスを「武漢ウイルス」と呼んでいます。
 トランプ大統領は「中国ウイルス」と呼んでいますね。
 
  どちらかというと「武漢ウイルス」が、いいネーミングではないでしょうか。
 
 トランプ大統領のように「中国ウイルス」と呼んだのではややこしくなります。
 
 平成15年に流行ったSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)ウィルスも、当時は「新種コロナウィルス」と呼ばれ、WHOがSARSと命名しています。
 中国産の野生動物種(ハクビシン、タヌキ、イタチアナグマ)から重症急性呼吸器症候群の病原体(SARSコロナウイルス)に類似したウイルスが分離された等の調査報告があり、広東省や香港で流行しましたから、「広東ウィルス」と呼んでも差し支えないものでした。
 
 日本も、今回のウイルスについて、いつまでも「新型コロナウイルス」と呼び続けるわけにいきません。
 
  トランプ大統領のように「中国ウイルス」と呼ぶことにしますと、SARSが「元祖・中国ウイルス」、今回の新型コロナウィルスが「二代目・中国ウイルス」、その次に中国から現れたウィルスを「三代目・中国ウイルス」というふうになって、どれがどれだかわからなくなります。
 たいてい、新種ウイルスは中国発祥です。
 
 平成24年から流行ったMERS(中東呼吸器症候群 。Middle East respiratory syndrome )には「中東(Middle East)」がついていますが、あまり、問題はないかと思います。
 
 中国が、今回の新型ウイルスを隠蔽していなければ、世界中に死者が続々と発生するということがないわけですから、「武漢ウイルス」と呼ぶようになれば、中国も態度を改めるかも知れません。
 
 可能性は、限りなく0に近いでしょうが・・
 
 ポンペオ国務長官は、アメリカ議会で「中国は米国と世界各国に賠償を支払うべきだ」との議論が浮上していることに関しては「今は中国からも正確な情報提供が必要だ」としつつ「危機への対処が一段落したら、責任の所在について検証するときが来る」とし、中国への賠償請求に含みを残しました。
 
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