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2020年バックナンバー

雑記帳

安定志向の大学入試

 令和2年の入試のキーワードは「安全志向」といわれています。
 
 令和3年から、センター試験に代わって「大学入学共通テスト(新テスト)」が導入されるため、「今年のうちに合格を決めたい」という意識が強まっているからです。
 
 確実に合格できる大学へと志望を下げる傾向が予備校の模擬試験などでも明らかになっていて、国立なら東大や京大、私立なら早稲田大、慶応大といった「最上位校」の倍率は下がりそうです。
 
 少子化によって18歳人口は減少傾向にありました。
 
 だが、ここ数年、国が入学定員を一定以上超過した私立大学に補助金を出さない制度を進めたため、私立大学が合格者数を抑制し、結果的に浪人生が増えていたため、受験者数は減りませんでした。
 
 しかし、今年は浪人生も昨年に比べて減少し、受験人口が減っているそうです。
 
 河合塾では、今年の志願者数は65万9000人と推計。昨年は67万4000人で、受験生が2%程度減る計算です。
 「今後しばらくは、受験生が減り続けるだろう」と予測されます。
 
 すべての大学で倍率が下がるとはかぎりません。
 
 背景にあるのが、新テストは受けたくない、浪人したくないという安全志向です。
 
 このため東大や京大、早稲田大、慶応大を狙える偏差値でも、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)や日東駒専(日本大、東洋大、駒沢大、専修大)を志望する傾向になっています。
 
 これらの大学では、手ごわいライバルが増えることになり、倍率も上がりそうです。
 
 安全志向は、保護者にも顕著だそうです。
 
 親も子供が浪人して苦労するのは見たくない。さらに少子化で近くにいてほしい、1人暮らしにはお金がかかるなどの理由から、遠方の大学に行ってほしくない「地元志向」も強まっていまるそうです。
 
 来年はどうなのでしょうか。
 
 受験人口の減少は続きますが、「新テストを避けたい」という意味での安全志向がなくなるのは確実で、「傾向は変わる」と予測されています。
 
 背伸びして最上位の大学を狙えるチャンスは今年だけだったといえそうです。
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