2020年バックナンバー
雑記帳
新型コロナウイルスで注目「PCR検査の精度」専門家に聞く
---引用開始---
今月6日、県内で初めて新型コロナウイルスの「陽性」が確認された男性が翌日に行った検査で一転して「陰性」になっていたことがきのう分かりました。
専門家は検査の精度や効果的な使用について一般の理解も必要と指摘しています。
「D医療機関の診断時の検査は陽性でしたが3月7日に、PCR検査を実施したところ、同日に陰性という結果が出ました」
9日に行われた広島市の会見では、6日に「陽性」が確認され、現在、舟入市民病院に入院中の男性について、7日の検査では「陰性」との結果が出たと発表された。
理由として考えられるのは次の2つ。
1 患者が回復に向かいウイルスの量が減少した。
あるいは
2 PCR検査の精度が低く、「陽性」にもかかわらず「陰性」と出た、いわゆる「偽陰性」というものだった。
この検査の精度とは?
専門家によりますと、PCR検査も確実なものではないと指摘します。
感染症が専門の広島大学の大毛教授によりますと、一般的にPCR検査とは-例えば、1万人の1%にあたる100人が感染していた仮定して、いっぺんに1万人を検査したとします。
まず、PCR検査の「感度」。つまり、感染した人を、正しく「陽性」と判定する確率は概ね約80%と言われています。
そうすると、確率として100人のうち80人は、「陽性」と判定されますが20人は「陽性なのに陰性」と出てしまうことがあります。
一方、「特異度」といって、「陰性のものを陰性」と正しく判定する確率は95%ということなので、反対にみれば、「陰性なのに陽性」と出てしまう人が500人いることになります。
そうすると、「陽性」と出た80人と、「陰性なのに陽性」と出た人が500人いることになるので、「陽性」と判定される人は、80人ではなく580人に上ってしまう。
本当は感染していない普通の風邪かもしれない500人が加わることで入院ベッドが足りなくなるなど医療現場に混乱が生じることにもなります。
つまり、検体数を一気に増やせばよいというものではないということですね。
この事から大毛教授はPCR検査の利用についてこんな話をしていました。
「PCR検査というのではできる件数が決まっている。限られた件数なので大事に本当に必要な人に検査がしたいんです。本当に必要な人はどの人なのかっていうのを相談窓口かかりつけ医の先生がまず判断しますから検査検査というよりはまず相談してほしいんです」
その上で、大毛教授は、冷静な行動を呼びかけます。
「今は、ウイルスが分かってきましたそして治療薬も分かってきました。ですから今後はこの治験をもとに治療を進めていけば命を落とす人は非常に少なくできると思います。多くの人はただの風邪なので本当に医療が必要な人をどうやって選んで病院に誘導するかというのがこれから求められているんだと思います」
なお、広島県は検査機器を増やし、きのうまで70検体までだった検査を10日からは100検体まで調べられる体制を整えたということです。
---引用終了---
PCR検査が100%間違いのない検査と勘違いしている人が多いようです。
実態は違うようです。
検査が陽性であっても病気ではない人(擬陽性)は、不要な医療リソースを食いつぶし、医療崩壊に導く危険があります。
検査が陰性であっても病気の人(擬陰性)は、ちゃんと、自分が病気である確率があるという前提で行動すべきであり、自分は病気でないと確信して行動すると、他の人を感染させる危険があります。
なお、引用分にあるの感度と特異度の数値は、例えの話で、新型コロナウィルス(武漢ウィルス)の感度と特異度は、来年、再来年になってわかることかと思います。
(註)
感度:病気である人のうち、検査結果が陽性となる人の割合
特異度:病気で無い人のうち、検査結果が陰性となる人の割合
偽陽性:病気で無い人のうち、検査で陽性になること
偽陰性:病気である人のうち、検査で陰性になること