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2020年バックナンバー

雑記帳

情報収集工学7号機の打上げ成功 北朝鮮や中国の監視強化

 令和2年2月9日、政府の情報収集衛星工学7号機を搭載したH2Aロケット39号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。
 
  衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功しました。
 
 日本の情報衛星は、他の国の偵察衛星と同じです。
 
 ただ、専守防衛の立場から、安全保障だけではなく、大規模災害への対応などの、内閣の重要政策に関する画像情報収集を行うために運用しているということになっています。
 
 情報収集衛星はレーダー衛星と、光学衛星の2種類があります。
 
 レーダー衛星は、電波を使って夜間や曇りでも地上を撮影できる、海上や地上の撮影ができます。
  ただ、レーダーですから、解像度は低くなりますし、撮影は白黒となるようです。
 
 光学衛星は、デジタルカメラのようなセンサーで、日中の晴天時にカラー撮影できる衛星です。
 ただし、夜間や、地上や海上に雲があれば、撮影ができません。
 
 レーダー衛星と光学衛星は、各2基がワンセットで、合計4基がそろうと、地上のどこでも1日1回撮影できる本格運用が可能になります。
 
 日本は、現在、レーダー3号基、4号基(+レーダー3号基と4号基の予備基1基)、5号基、6号基、光学5号基、6号基と、レーダー5基と光学2基が稼働しています。
 
 多すぎて悪いということはありません。また、光学5号基は設計寿命が間近に迫っています。
 
 レーダー衛星2基と光学衛星2基が最小限度必要ということで、多ければ多いほど、撮影回数が多くなります。
 
 今回打上げられた光学7号機は、光学5号機の後継衛星という位置づけです。
 
 日本の情報収集衛星というか、どこの国の偵察衛星でも、自国の衛星の解像度は明らかにしません。軍事秘密ですから、
 
 中国のメディアによりますと、光学7号機は6号機よりも性能が向上しており、その解像度は非常に高く、約30センチのものまで識別できると指摘し、これは世界最先端の水準であると論じています。
 
 また「解像度が1メートル以下の性能があれば、軍事面で活用できる」と伝え、世界で最も解像度が高いのは米国の偵察衛星「キーホール」であり、その解像度は10センチレベルであると強調したうえ、日本の光学7号機は「キーホール」ほどでないにしても、その性能は世界最先端なのは間違いないと指摘し、専門家の見解として、光学7号機は「宇宙空間から地上にある自動車の形状を識別できるのはもちろん、自動車のフロントガラスやリアガラスの形まで識別できるだろう」と論じています。
 
  産経新聞にも「識別可能な物体の大きさは30センチ以下とみられ、北朝鮮の軍事施設や東・南シナ海を航行する中国の艦船などを詳しく調べられる」と記載されています。
 
 ちなみに、偵察衛星を運用している国は、アメリカ、ロシア、中国、ドイツ、フランス、イスラエル、インド、ブラジル、トルコです。
 情報収集衛星を運用している国は、日本です。
 
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