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2020年バックナンバー

雑記帳

台湾の総統選

 台湾で、令和元年11月11日に実施された総統選において、対中強硬路線をとる与党・民進党現職の蔡英文総統(63)が過去最多得票で再選を決めました。
 
  また、総統選と同時に投開票された立法委員(定数113)選挙は、対中強硬路線の与党・民主進歩党(民進党)が61議席(改選前68議席)を獲得し、過半数(57議席)を維持しました。
 
 総統選で圧勝した民進党の蔡英文総統は、安定的に政策を運営できる基盤を確保しました。
 
 蔡政権は中国大陸と台湾が1つの国に属するという「一つの中国」原則を認めない一方、党が持つ独立志向を封印する立場をとります。
 
 対中強硬路線を鮮明にする蔡氏の再選で、台湾と中国、中国と台湾をとの対立が激化するのも確実です。
 
 統一を拒否して独立をめざすか、経済交流の果実を求めて接近するかという選択ですが、平成31年3月の台湾の世論調査では、対中関係で「国家安全を重視する」との回答が58%に上り、「経済利益を優先する」を27ポイントも上回わりました。
 
 1つには、米中摩擦で対中接近が必ずしも利益に結びつかなくなった面もありますが、圧倒的なのは、中国による香港の民主化弾圧です。
 1国2制度などという甘言に乗ると、民主主義はなくなると思い知らされました。
 
 今回の蔡英文総統の再選と、与党である国会での民進党の過半数確保の、最大の功労者は、習近平主席ということになります。
 
 米国は昭和54年に台湾と断交して中国と国交を樹立し、その後は「台湾関係法」に基づき台湾の安全保障を支える一方、対中協調を重視して台湾独立を綱領に掲げる民進党と距離を置いてきました。
 
 しかし、トランプ米大統領は就任直前の平成28年12月に蔡氏と電話で直接やりとりし、令和元年にはF16戦闘機の台湾への売却を決めるなど、中国への配慮で封印されてきた「タブー」は次々と破りました。
 
 日本としては、日本と台湾の経済交流を活発にして、中国の嫌がらせによる台湾の経済発展を阻止し、アメリカとともに、台湾を守るという方針をとるのが賢明です。
 
 なお、右上の図面は、国土交通省のホームページの地図です。
 中国が東シナ海から太平洋に出ようとすると、日本(北海道・本州・四国・沖縄を含む九州)と台湾が妨げになっていることがよくわかります。
 
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