本文へ移動

2020年バックナンバー

雑記帳

「韓国政府による北船員送還、国連で調査しようとしたが白紙に」

 
---引用開始---
 
 昨年11月初めに韓国政府が、亡命意思を表明した北朝鮮の船員2人をわずか3日で北朝鮮へ強制送還した件に関連し、国連のトーマス・オヘア・キンタナ北朝鮮人権特別報告官は「韓国政府が行ったことは明確に国際法と国際規範に背く」と語った。
 キンタナ報告官は9日、本紙の電話インタビューに応じ、「独立的調査がなされて責任者が問責されるべき」だとしてこのように語った。
 
 またキンタナ報告官は、昨年11月末から12月初めに訪韓しての現場調査を行おうとしたが、韓国政府が「関連する当局者は全員ほかの日程がある」と難色を示したと明かした。
 
 「韓国政府が調査の妨害のため協力しなかったとみているのか」という質問に対し、キンタナ報告官は「推測したくはない」と述べつつも「提起したい問題が多かったので、(非協力的態度は)遺憾だった」と答えた。
 
 さらにキンタナ報告官は「2016年に北朝鮮人権特別報告官になった後、毎年末に韓国を定期的に訪問していたが、こうしたこと(訪韓の白紙化)は初めて」と語った。
 
 韓国政府は、北朝鮮の船員は同僚16人を殺害した「凶悪犯」だという理由で強制送還決定を正当化した。
 
 しかしキンタナ報告官は「全ての人は、犯罪の嫌疑や犯罪行為とは関係なしに、虐待・不法拘禁されかねない国へ送還されてはならないという強制送還禁止原則が適用される」として「(事件後)韓国政府に送った書簡でこの点を強く提起した」と語った。
 
 キンタナ報告官は「私は、中国政府は(脱北者に対する)強制送還禁止原則を尊重すべきだと絶えず求めてきており、韓国政府は常にこれを支持していた」として、「今回の送還は、それと矛盾する」と指摘した。
 
 その上で、キンタナ報告官は「韓国政府に送った書簡で、(船員らを)送還した理由、法的手続きなどを尋ねたが、韓国政府の回答は全く不十分だった」として、「どんな出来事があったのか韓国政府は明らかにせず、送還の理由や考慮したという事項も混乱していた」「(今年上半期に計画している)韓国訪問で、この事件を調査する司法府を訪問する」と語った。
 
 このほかにも、キンタナ報告官は「韓国政府は国連と相談せず、私とも相談しなかった」として、「基本権について何らの尊重もなく、わずか数日でそのままあの人々を(北朝鮮へ)送ってしまった」「人間の基本権が係ることであれば、秘密に付したり、(南北)両政府の間でのみ行われたりしてはならない」「透明に、一般の人々に公開されなければならず、責任者は問責されるべき」と語った。さらに「(今回の送還は)韓国政府の単なるミスや誤った手続きであってほしい」「将来再び起きてはならない」と語った。
 
---引用終了---
 
 この記事だけを読んでもわかりませんね。
 
 韓国は、令和元年11月2日、北朝鮮のイカ釣り漁船の船員2人を日本海上で拿捕しました。
 
 韓国政府は、令和元年11月5日、北朝鮮側に意向を打診したところ、北朝鮮は、船内で16人の乗組員を殺害し、逃亡しているから引取るとの返事があったので、令和元年11月7日、南北の軍事境界線にある板門店にて引渡しました。
 
 2人は韓国に亡命する意思を示していたとされ、追放は事実上の強制送還に当たります。
 韓国政府が亡命意思を持つ北朝鮮国民を強制送還したのは初めてのことです。
 
 その理由について韓国の統一省は「重大な犯罪であり、韓国の国民の生命や安全の脅威となる。凶悪犯罪者として、国際法上の難民としても認められないと判断した」としています。
 
 しかし、この措置には韓国の国内外から厳しい批判の声が上がっています。
 
 まず、2人に犯罪の容疑があったならば、十分に時間を割いて、真相を徹底的に究明するのが先決でした。
 しかし、韓国政府による調査期間はわずか5日のみでした。
 
 送還の翌日、韓国政府はイカ釣り漁船も北朝鮮当局に返還しました。
 血痕の付着など犯罪の事実を見極めるための重要な証拠資料を処分したということになります。
 
 たった2人の船員が16人も殺せるはずもありませんし、死体があったわけでも血痕が認められたわけでもありません。
 また、18人が乗れるような船ではありませんでした。
 
 北朝鮮の言葉を鵜呑みにして、脱北者を北朝鮮に引渡したということになります。
 とっくの昔に処刑されて、この世にいないでしょう。
 
 そして、国連の調査も拒絶したということです。
TOPへ戻る