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2018年バックナンバー

雑記帳

日韓併合条約の有効性

 旧朝鮮半島出身の労働者(「徴用工」)の損害賠償について、平成30年10月30日、韓国の大法院は、新日鉄に約4000万円の損害賠償の支払いを命じる判決を言渡しました。

 

 金大法院長を含む法廷意見(13人中7人の裁判官)は以下のとおりです。
「 元徴用工らが求めているのは、未支給賃金や補償金ではなく、日本の不法な植民地支配や侵略と直結した日本企業の反人道的な強制動員に対する慰謝料である。
  請求権協定の過程で日本政府は植民地支配の不法性を認めず、強制動員の法的賠償も否認している。
  そして、日韓請求権協定は、植民地支配の不法性にまったく言及していない。
  したがって不法な強制動員に対する慰謝料請求権は、「完全かつ最終的に解決」したとされる請求権協定には含まれていない。だから、日本企業は元徴用工に慰謝料を支払うべきである。」

 

 昭和40年(1965年)の日韓基本条約において、1910年8月22日に締結された「韓国併合に関する条約」の合法性(それに先立つ、1905年11月17日第二次日韓協約〈保護条約〉の有効性を含む)について、日本と韓国の間に争いがありました。

 

 日本は、当然合法・有効であるという意見、韓国は、違法・無効であるという意見でした。
 日韓基本条約においては、「もはや無効であることが確認される」との表現で妥結しました。
 日本は、日韓併合は条約締結時に合法・有効であったが、もはや無効であるという解釈、韓国は、日韓併合は条約締結時に違法・無効という見解で解決しました。

 

 旧朝鮮半島出身の労働者の損害賠償については、どちらでも結論は変わらないのですが、日韓併合は条約締結時に合法・有効であったか、違法・無効であったかについて、当時の国際法に照らして考えてみます。

 

 韓国併合再検討国際会議(A Reconsideration of the Annexation of Korea)が、2001年1月、4月、11月に開催されました。

 

 日韓併合の合法性・違法性を巡る議論を扱った一連の国際学術会議です。

 

 岩波の「世界」誌上で日韓の学者が争いましたが、決着がつかず、アメリカのハーバード大学のアジアセンター主催で日米韓英独も含めて議論しました。

 

 結論は、両論併記です。

 あまり細かいことは必要ないかと思います。

 

 国際法の専門家であるケンブリッジ大学のクロフォード教授が強い合法の主張を行いました。


「 そもそも当時の国際社会では、国際法は文明国相互の間に適用される。
 この国際法を適用するまでの文明の成熟度を有さない国家には適用されない。
 言い換えるなら、文明国と非文明国の関係は、文明国相互においてと同様に国際法において規定されない。
 それゆえ、前者(文明国と非文明国の関係)においては後者(文明国相互の関係)で必要とされる手続きは必ずしも必要でない。
 極論すれば、文明国と非文明国との関係の一類型として登場する、植民地化する国と植民地化される国の最終段階では、必ず条約の形式を必要とするとさえ言えない。
 当時において重要だったのは、特定の文明国と非文明国の関係が他の文明国にどのように受け止められていたか、である。単純化して言えば、植民地化において法が存在していたのは、その部分(他の文明国が受容したか否か)のみである。
 この意味において、韓国併合は、それが米英を初めとする列強に認められている。仮にどのような大きな手続き的瑕疵があり、非文明国の意志に反していたとしても、当時の国際法慣行からすれば無効とはいえない」

 

 この会議に参加していた韓国側はがっくりと肩を落として去ったそうです。しかし、この会議の内容を日本のマスコミは黙殺しました。


 一般には知られていません。

 産経新聞は報道しています。
 ただ、ネットが普及していませんから、産経新聞を読んでいない人は知らないということになります。

 

 平成30年11月11日に、第一次世界大戦が終了して100年になりました。
 第一次世界大戦の前後で、国際法が、かなり変更されています。

 

 第一次世界大戦までは「自分で生きていけない国について周辺の国が国際秩序の観点からその国を取り込むということは当時よくあったことであって、日韓併合条約は国際法上は違法ではなかった」、つまり、韓国の「強制されたから不法」という主張は、第一次大戦以降のもので、当時としては問題にならなかったということです。

 

 文明国とは、かつて西欧文明の伝統やそれに準ずる国内体制をそなえた国家を指した用語であり、20世紀初頭までの国際法では国家として他国と対等の主体性を認められるためにはこうした基準に照らして「文明国」であることが求められ、その基準に達しない社会は国家ではなく「非文明国」「無主地」とみなされていました。

 

 勝手な話ですが、国際法というのは、そういうものです。ですから、日本は、明治維新以降、法律の整備等、西欧文明化をはかったのです。

 

 日本は、西欧文明の伝統やそれに準ずる国内体制をそなえた国家でしたから「文明国」です。
 大韓帝国は、西欧文明の伝統やそれに準ずる国内体制をそなえた国家ではありませんでしたから、「非文明国」でした。

 

 1905年の保護条約、1910年の併合条約は、第一次世界大戦前ですから、国際法上、「文明国」が「非文明国」を植民地にしたり、吸収合併することは合法と解されていました。

 

 1910年当時、日本は「文明国」であり、大韓帝国は「非文明国」でした。

 よって、当時の国際法に照らせば、日本が、大韓帝国を植民地にしたり、吸収合併することは合法でした。

 

 合法・違法の判断時は、当時の国際法であり、現在の国際法ではありません。

 

 なお、植民地化や合併についての、合法・違法の判断には、もう一つ要件がありました。

 

 「他の文明国が(植民地化や吸収合併を)受容したか否か」です。

 

 当時の文明国で利害関係のあるのは、イギリス、アメリカ、ロシアでしたが、日本が大韓帝国を植民地にしたり、吸収合併することに異論はありませんでした。

 

 アメリカは、桂・タフト協定により、アメリカによるフィリピンの植民地化とバーターで承認しました。

 ロシアは日露戦争に敗れました。文句は言えません。

 イギリスは、日英同盟の関係にあり、ロシアに対抗するという点で日本と利害が一致していました。

 他の文明国も、日本が、大韓帝国を植民地にしたり、吸収合併することに異論はありませんでした。

 

 ですから、他の要件について検討するまでもなく、日本が、大韓帝国を植民地にしたり、吸収合併することは合法ということになります。

 

 国際司法裁判所(ICJ)の裁判があったと仮定すれば、日本が、大韓帝国を植民地にしたり、吸収合併する手続きに違法はないと判断されるでしょう。

 

 現実には考えられませんが、仮に、手続きに瑕疵があるとしても、「文明国」が「非文明国」を植民地にしたり、吸収合併することは、当時の国際法上、手続きの瑕疵の有無は合法違法の判断基準となりませんから、手続きの瑕疵の有無を問わず、日韓併合条約は合法であり、有効と判断されるでしょう。

 

 韓国は、どう考えても勝ち目がありませんから、国際司法裁判所(ICJ)から逃回るでしょうね。

西野法律事務所
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