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2019年バックナンバー

雑記帳

修習生から弁護士になったときの初任給

 72期司法修習生が弁護士登録をしています。
 私が32期ですから、40年経過したことになります。
 
 新卒の司法修習生を受け入れる法律事務所の経営が厳しくなっていますから、イソ弁は増やせません。
 
 かといって、イソ弁が思うように独立してくれるわけでもありません。イソ弁としても、今独立したのでは、経営が成り立たないと考えます。
 
 就職が決まったとして、条件はどうでしょう。
 
 「弁護士の初任給は」をご覧ください。少し古い記事です。
 
---引用開始---
 
 統計はないが、近時の就職状況の話を聞くかぎり、大阪では、
 
  600万円台...かなり高い。大手事務所レベル。
  500万円台...高いレベル。良い条件といえる。
 400万円台...一般的なレベル。個人事務所であれば標準くらい。
 300万円台...低いという印象だが,珍しくはない。
  というのが実感。
 
 固定給で200万円台という話は,まだ聞いたことはないが,歩合給の割合が多い場合には,結果として,それくらいの収入になることもある。
 
---引用終了---
 
 ちなみに、司法修習生が500人時代には、月額40万円、ボーナス夏冬各2か月分、年間給与640万円、会費は事務所負担、個人事件可・弁護士会活動可が、デフォルト(既定値)でした。
 
 それが「かなり高い。大手事務所レベル」ということになってしまっています。
 
 ちなみに、私は、裁判官をしていたのでわかりませんが、私の期(32期)の弁護士の初任給は、20万円~30万円くらいだったそうです。
 
 現在、給料が400万円~450万円くらいなら、手取り(源泉徴収、別途支払う国民年金と国民健康保険)を計算すると、親元から通勤する場合はともかく、1人で、月間10万円のアパート・マンションに住んでいたのでは、お金が足りません。
 
 男性の場合、妻を専業主婦にしての結婚は無理で、共働きとなる可能性があります。
 
 「適正」な給与水準というのは難しいですね。
 
 イソ弁を雇う側としては、1年目は無理でも、2年目、3年目くらいになれば、最低、給料分くらいの売上は上げてもらわないと困る、そうでないと、イソ弁を雇った意味がないと考えます。
 
 雇われるイソ弁側からすれば、ボス弁やパートナーは、自分たちが、売上の高い事件を扱い、採算があわない事件をイソ弁にやらせている、給料分くらいの売上を求められても困るというところでしょうか。
 
 ただ、需要供給の力関係がありますから、「その条件で嫌なら、他の修習生を採用することにする」と言われたらおしまいですね。
 
 自分の給与が安いと不平を言うのならば、やはり、給与分ぐらいの売上を上げてからというのが「筋」のように思います。
 
 また、今日日、そんなにもうかっている事務所もないかと思います。
 
 条件がよい事務所は、毎日遅くまで残業、仕事が時間内にできなければ、土日でてきて仕事してくれという事務所の確率が高いです。
 「給料を上げて」というより、自分の受任事件を増やす努力をすべきでしょう。
 ただ、昔は、法律相談などにいけば、2回に1回は「それなり」の事件が受任できたものですが、今は、そうはいきません。
 
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