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2019年バックナンバー

雑記帳

韓国の元大学教授らが書いた「反日種族主義」

 韓国では今、ある本が異例のベストセラーとなっています。
 
 韓国の元大学教授らが書いた「反日種族主義」です。
 
 このタイトル、どういう意味かというと「韓国人は、反日思想を掲げなければ生きていけない種族だ」として、いきすぎた反日姿勢を批判的に記しています。
 
 「反日種族主義」は、韓国・ソウルの書店にあるベストセラーのコーナーに並べられていました。
 
 令和元年7月に発売されてから、韓国最大手の書店で3週連続1位の売り上げを記録し 「1万部売れればヒット」と言われる韓国で、10万部以上を売上げています。
 
 「隣国の日本を先祖代々の敵だとしてとらえる感情」あらゆる嘘うそが広まっているのは、この「反日種族主義”によるものだ」という内容です。
 
 代表著者である元・ソウル大学教授の李栄薫(イ・ヨンフン)さんは、韓国の近代経済史などを研究してきました。
 
 李さんは今回の本で、日本の統治下にあった朝鮮半島でコメの生産量や輸出量が大幅に増加し経済発展したと、データに基づき主張しました。
 
 さらに太平洋戦争中の徴用や慰安婦をめぐる問題でも、韓国のこれまでの通説に異を唱える内容が記されています。
 
 李さんは異なる見方があることも知るべきだと、出版に踏み切りました。
 
 李栄薫さんは「『反日は善で、親日は悪である』という感情を韓国の国民が克服できなければ、韓国の明るい未来はないと私は考えています。 (韓国が)先進的な社会や経済・政治へと進むためには、隣国である日本との心からの信頼・協力体制が不可欠であるという当たり前のことを伝えたかったのです」と述べています。
 
  日韓でベストセラーになっている「反日種族主義」(日本版は文芸春秋刊)の編著者、李栄薫さんが令和元年11月21日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見しました。
 
 著書では、李氏をはじめとする経済史学などの専門家6人が一次資料にあたったうえで、「反日」の根本には、シャーマニズムに基づく「種族主義」があると説いており、韓国の与党「共に民主党」の綱領で「抗日精神を継承している」とうたっていることを指摘しながら、ムン・ジェイン政権と与党を「反日運動家として非常に訓練されている集団」だと表現し、日本企業に対して元徴用工らへの賠償を命じる判決を出した韓国大法院(最高裁)も、「その影響を受けている」としています。
 
   読者層については「韓国人全体に向けて書いた。歴史的な病の根源がどこにあるのかを書いて、皆さんに読んでもらいたかった」とした上で、30代に多く売れていることを明かしました。
 「現代の韓国の30~40代は反日教育を受けており、50~60代よりも強い反日感情を持っている」といい、30代に対して好評だったことを「遅い速度ではあるが、歴史は進歩しているとみている」と歓迎しています。
 
 著者のひとりで落星台経済研究所研究委員の李宇衍(イウヨン)氏は、実際に身の危険を感じた経験を語っています。
 「出版後、研究所に2人の男が乱入し、私にツバを吐きかけました。電話で『塩酸をばらまくぞ』と脅されたこともあります。電話やメールによる悪口や脅迫は後を絶ちません」
 
 研究所の前では、市民団体が旭日旗と李氏の写真を重ねて燃やしたり、本を破り捨てるなどのパフォーマンスも繰り広げられた。正門前に汚物(犬の糞)を撒き散らした男が、住居侵入と器物損壊の疑いで書類送検される事件も起きています。
 
 だが、韓国の警察はこうした知日派に対する暴行や脅迫は厳しく取り締まらないそうです。
 
 『韓国「反日フェイク」の病理学』の著者で韓国人ジャーナリストの崔碩栄(チェソギョン)氏が語っています。
 「李宇衍氏への抗議活動の動画を見ると、市民団体が本を燃やすくらいでは、警察は静観しているだけで、警告さえしない。活動家が研究所に乱入してツバを吐きかけた時は、さすがにパトカーで連行しましたが、その際も、丁重に扱っていました」
 
 日本語の翻訳本(文藝春秋社)でも、令和元年12月4日時点で、25万部を突破するベストセラーになっています。
 
 梅田駅のブックファーストという書店では「ベストセラーNo1」として販売されています。
 一度、ご覧になられればいかがでしょうか。
 
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