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2019年バックナンバー

雑記帳

ネットバンクの不正送金被害が急増

 インターネットバンキングの口座に不正アクセスされ、知らない間に預金が詐欺グループに送金される被害が急増しています。
 
 一時は沈静化していたのですが、夏ごろから増え始め、令和元年9月には400件を超えました。
 
 金融機関を装ったメールをスマートフォンに送信して暗証番号などを盗み取る「フィッシング」を組み合わせた新しい手口が目立っています。
 
 従来の防止策が破られている可能性があり、警察や金融機関が注意を呼び掛けています。
 
 差出人は口座を持つ銀行名となっているショートメッセージが届きます。
 内容を信じた人はメッセージに従って記載されたURLをクリックし、表示されたネットバンキングの画面で口座番号と暗証番号を入力します。
 
 その日のうちに、多額の金が他銀行の口座に振込まれてしまいます。
 詐欺グループに送金されたということになります。
 
 「画面が本物のネットバンキングのホームページとそっくりで、入力してしまった」と話していました。
 
 警察庁によると、ネットバンキングを狙った不正送金の被害は、平成26~27年にピークに達しました。
 
 その後、金融機関が「2段階認証(ワンタイムパスワード)」を導入するなど防止策を強化し、被害は減っていました。
 
 平成31年5月までは月20~30件程度でしたが、令和元年6、7月に50件前後になり、8月は100件を超え、さらに9月に436件と一気に増え、同月の被害額は約4億2600万円に上りました。
 
 被害が増えた理由は新しい手口の出現です。
 
 2段階認証は、利用者がIDやパスワードを入力後、金融機関からスマホに届くSMSに記載された認証用の番号を改めて入力することで本人確認する仕組みです。
 
 情報セキュリティー大手のトレンドマイクロによりますと、昨年末から2段階認証の突破を狙う偽のフィッシングサイトが確認され始めたそうです。
 
 新しい手口はまず、メールやSNSでフィッシングサイトに誘導し、利用者が入力したIDやパスワードを使って本物のサイトにログインする。すると、金融機関から利用者に認証用の番号が記されたSMSが届くので、その番号を偽サイトに入力させて盗み、不正送金します。
 
 トレンドマイクロの担当者は「今年に入って2段階認証が突破されるようになった。」「(詐欺グループが)攻勢をかけているのではないか」と指摘しています。
 
 令和元年10月以降は地方銀行やネット銀行をかたるものが増えているそうです。
 
 国民生活センターによれば、「サイトの真偽を見分けるのは難しい。すぐにはSNSの指示に従わず、正規のサイトで確認してほしい」と注意喚起しています。
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