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2019年バックナンバー

雑記帳

蝶と蛾

 日本では、蝶と蛾の区別をします。
 
 ただ、世界には、フランス語のように、蝶と蛾を区別せず、蝶を「昼のパピヨン」、蛾を「夜のパピヨン」というふうに分けるという言語があります。
 
 英語で兄と弟を区別せず、兄を「年上のブラザー」、弟を「若いブラザー」とするのと同じです。
 
 現代の日本で蝶と蛾を区別するかというと、江戸時代の頃にイギリスからも入ってきた博物学が日本中に広く浸透するに従って、同時にもたらされた蝶(Butterfly)と蛾(Moth)を区別するという概念も浸透していったからと思われます。
 
 おそらく日本でもかつては蝶と蛾を今ほどまでには区別していなかったのではないかと想像します。やはり昼間に飛ぶ可憐な蝶と、夜になるとどこからとも現れる夜の蝶という分け方をしていたという説があります。
 
 日本語では、ハエ、ハチ、バッタ、トンボ、セミなど、多くの虫の名称が大和言葉、すなわち固有語です。
 つまり蝶と蛾を区別するのは文化的なものではなく分類学的なものであるということです。
 
 しかし、この蝶と蛾に関しては漢語です。
 
 蝶、蛾もかつては「かはひらこ」「ひひる」「ひむし」などと大和言葉で呼ばれていたと思われます。
 
 その際、蝶と蛾は名称の上でも、概念の上でも区別されていませんでした。
 
 日本の「蝶」と「蛾」の区別は、中国からの輸入品と思われます。
 輸入後も、日本人の多くが「蝶」と「蛾」を区別していたとは思われないそうです。
 
 現代日本で蝶と蛾を区別するかというと、江戸時代の頃にイギリスからも入ってきた「博物学」が日本中に広く浸透するに従って、同時にもたらされた蝶(Butterfly)と蛾(Moth)を区別するという概念も浸透していったからといわれています。
 
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