2019年バックナンバー
雑記帳
国家統一
令和元年10月15日、サッカーワールドカップ・アジア二次予選の北朝鮮対韓国の試合があったそうです。
観客なし、中継なし、録画による放送なし、双方チームの得点なしの「ないないづくし」の試合だったそうです。
韓国サッカー代表チームと北朝鮮サッカー代表チームの激しいプレー、互いに罵言を吐くなど、殺伐とした雰囲気で試合を行ったことが確認さました。
韓国サッカーチームのキャプテンが「試合に集中するよりは、けがをしないようにしようと考えた。こうした試合でけがもなく無事に帰ってきただけでも意味がある」と語ったということですから、韓国サッカーチームと試合をする日本のサッカーチームの心がけと同じということです。
いくら争っていても、やはり、同一民族ですね。同じようなことをします。
ちなみに、北朝鮮は韓国を敵扱いしていることは間違いありません。
韓国のムンジェイン大統領は、北朝鮮との統一を望んでいるようですが、韓国民が賛成しているかどうかはわかりません。
韓国の生活水準が北朝鮮並みになってはかないません。
第二次世界大戦後に、分断国家ができました。
東西ドイツ、南北ベトナム、北朝鮮と韓国です。
南北ベトナムは、アメリカと中国・ロシアの代理戦争の結果、北ベトナムが、武力統一していますから、北ベトナムが、他の国に気をつかう必要はありません。
東西ドイツは、東西ドイツの話し合いの結果、西ドイツが東ドイツを平和裡に吸収合併しました。
周辺各国に慎重に根回しした上での吸収合併です。
周辺各国に慎重に根回しした上での吸収合併です。
西ドイツによるドイツの統一は、東西ドイツの政府の合意だけでは成立するはずはありません。
ドイツが統一されたら、ヨーロッパ一の強大な国になることは確実です。
イギリスやフランスなどドイツ周辺諸国の人々は、歴史的な教訓として「強いドイツは危険な存在だ」と考えています。
「ドイツ大好き」「大好きなドイツは2つあったほうがいい」ということですね。
「ドイツ大好き」「大好きなドイツは2つあったほうがいい」ということですね。
イギリスはサッチャー首相、フランスはミッテラン大統領の時代です。
軍事的には、ドイツ国防軍は、NATOの指揮下に入っています。
ただ、ドイツが力を付けてきたら、軍事的にどうなるかわかりません。
ただ、ドイツが力を付けてきたら、軍事的にどうなるかわかりません。
経済的にも、ただでさえ、ドイツ統一時にヨーロッパのトップの経済力だったのが、それ以上の経済力を持つことに間違いがありません。
イギリスやフランスは反対しましたが、アメリカが統一を強く支持しました。
ドイツが再び強大になる懸念より、弱体化したソ連(後のロシア)がいずれ再び力を盛り返す可能性の方を心配していました。
ある程度ドイツの強大化を許し、アメリカ傘下の同盟国となったドイツをソ連(後のロシア)対抗させた方が良いとブッシュ大統領(父)は考え、イギリスやフランスの反対を抑えました。
イギリスやフランスの懸念に対し、ドイツのコール連邦首相がとった戦略は、自分の国を、二度と周辺国と戦争できないような状況に置いてみせることでした。
ドイツの主権の一部を、周辺国との合議の場に預けることになるEUの統合に積極的に参加することで、自国中心の強大化を押し進めない姿勢を見せました。
強いマルクではなく、統一通貨ユーロを強力に推し進めることにしました。
旧東ドイツに駐留していたソ連軍の撤退費用を大盤振る舞いしました。
多大な犠牲を支払い、やっと周辺国の同意を得て統一にこぎつけました。
貧乏な旧東ドイツには、惜しみなく資金をつぎ込みました。
貧乏な旧東ドイツには、惜しみなく資金をつぎ込みました。
ベルリン大学で政治学と社会学を教えているクラウス・シュレーダー教授は、平成26年5月に「ドイツ統一にかかった費用は、2兆ユーロ(280兆円・当時の1ユーロ=140円)にのぼる」と発表しました。
なお、平成30年時点でも、「連帯税」が徴収され、ルフトハンザの航空券を購入すると、ドイツの「連帯税」を支払わされます。
なお、平成30年時点でも、「連帯税」が徴収され、ルフトハンザの航空券を購入すると、ドイツの「連帯税」を支払わされます。
それでも、旧東ドイツ地域はいつまでたっても、発展しません。
話を韓国と北朝鮮に戻します。
朝鮮半島の歴史をみると、19世紀の日清戦争までは、ほぼ全期間にわたって、実質的に中国(の各王朝)の属国にすぎませんでしたし(李氏朝鮮は清の属国。高麗は元の属国。新羅は唐の属国など。元号も、宗主国である中国王朝の元号をもちいてました)、20世紀前半は日本と合邦し、第二次世界大戦後は、いずれも独り立ちできない北朝鮮と韓国が相対峙しています。
残念ながら、朝鮮半島の人たちは、民族の運命を自身で決定したきたという経験はないに等しいのが実情です。
中国と陸続きという気の毒な事情もありますが・・
また、戦略上の要衝という位置にあったというのも気の毒です。
民族の運命を自身で決定したきたという経験はないに等しいのに、自分たちだけで決めたいと淡い希望をいだくことはともかく、そうできると考えるのは、現実的ではありません。
血を流して独立戦争をしたことがない、分裂国家の相手方と戦争したこともない、ドイツのように天文学的な統一費用を支払えない、だけど統一したいというのは虫がいいですね。
北朝鮮は、韓国との統一を望んでいません。
アメリカ、日本、中国、ロシアなど周辺国は、緩衝地帯として、韓国と北朝鮮の2国を必要としています。
北朝鮮が韓国に呑み込まれますと、中国は、のど元に匕首を突きつけられたということになります。歴史的な経緯から、朝鮮族が中国やロシアに居住していることも不利な事情となります。
逆に、韓国が北朝鮮に呑み込まれますと、日本やアメリカは、のど元に匕首を突きつけられたということになります。
ドイツが余りに強大なため、分断されたままでいることが周辺国にとって望ましいのと異なり、韓国が北朝鮮は、東西陣営としては、緩衝地帯が必要なことから、分断されたままでいることが周辺国にとって望ましいということになります。
「コリア大好き」「大好きなコリアは2つあった方がいい」ということですね。