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2019年バックナンバー

雑記帳

二階幹事長の「失言」

 令和元年10月13日、台風19号の緊急役員会で二階俊博自民党幹事長は「予測に比べると、まずまずに収まった感じですが、それでも相当の被害が広範に及んでいる」と述べ、そのあと、「日本がひっくり返るような災害と比べたら、という意味で、1人亡くなっても大変なことだ」と述べました。
 
 また、令和元年10月15日に発言を撤回しています。
 
 その昔、復興大臣を務めていた今村雅弘衆議院議員は、平成31年4月4日、東日本大震災について「東北で地方だったからよかった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大な、甚大な被害があった」と発言しています。
 
 すぐに辞任に追い込まれていますが、さすがにアウトでしょうね。
 復興大臣という立場を考え、また、「東北で地方だったからよかった」というのは問題でした。
 
 令和元年10月13日当時、人的被害の報道が少なく、「予測に比べると、まずまずに収まった」というのは本音でしょう。
 
 二階幹事長の選挙区は和歌山3区で、和歌山県南部は、毎年のように台風の被害を受けています。選挙区をみれば、和歌山県の人口分布がわかります。
 
 平成23年の台風12号では、台風は、高知、岡山、鳥取と抜けたのに、東側にあたる紀伊半島に大雨が降ったため、全国で98人が死亡あるいは行方不明になったうち、和歌山県だけで61人が死亡あるいは行方不明になっています。奈良県も24人、三重県も3人犠牲(行方不明者含む)になっています。
 
 おそらく、二階幹事長の頭にあったのは、平成23年の台風12号、和歌山県だけで死亡あるいは行方不明61人でしょう。
 
 台風19号による死者は全国で77名、行方不明十数人(日経新聞・令和元年10月17日・関西版朝刊)ですから、平成23年の台風12号より少ないかも知れません。
 また、二階幹事長の発言時には、死者行方不明者はずっと少なかったですね。
 
 平成23年の台風12号の当時、和歌山県のJRの完全復旧までに4か月弱もかかりました。
 野田政権時代のことで、復興に「手を抜かれた」という実感もあったはずです。
 
 
 ただ、自民党の幹事長、ナンバー2としては、やや軽率ですね。
 もっとも、麻生副総理と同様、問題なしで終わるかと思います。
 
 なお、台風については、アナウンサーも「ひどい」ことをいうときがあります。
 
 東京キー局のラジオですが、やはり台風19号の話題で「紀伊半島にでも上陸でもすればすれば、勢力もおさまるのでしょうが」と聞いて、我が耳を疑いました。
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