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2019年バックナンバー

雑記帳

総雇用者所得か実質賃金か

 アベノミクスにより景気がよくなり、失業率が減っています。
 
 ただ、実質賃金は上がっていません。
 
 しかし、従前なら失業者にカウントされていた人たちが働くようになりましたが、失業していた人たちですから、それほど高額の給与がもらえるはずもなく、失業していた人が1人就職すると、実質賃金は下がります。
 
 さらに、従前なら働きに出なかった年金生活の高齢者が働くようになりましたが、そんなに給料をもらえるはずもなく、高齢者が1人就職すると、実質賃金は下がります。
 
 また、従前ならパートに行くことをためらっていた専業主婦が、パートに行くようになれば、たいていは120万円から130万円まででしょうから、専業主婦が1人就職することになり、実質賃金は下がります。
 
 景気回復を表す一つの指針となる賃金の伸びについて、安倍晋三首相は「総雇用者所得」の増加を訴える一方、野党は「実質賃金」が伸びていないことを問題視し、論争が続いています。
 
 私は、総雇用者が回復の証拠と考えています。
 
 総雇用者所得の伸びを景気回復の証拠とみなすことができます。
 
 また、失業者が働くようになれば、幸福であることに間違いはありません。
 単身者でも、家族持ちでも同じです。
 
 個人が幸せに感じるかどうかは個人の賃金の伸びにかかっているのですが、働かなかった専業主夫や高齢者が、わずかながらも給料を得て働いて、一家の収入が上がれば、たとえ、平均のマジックによって、一人あたりの所得が減っても、景気回復に間違いありませんし、一家全体から見れば幸福でしょう。
 
 アベノミクスによる総雇用者所得の伸びの背景には雇用者数の増加がありますが、ここ数年伸びてきたのは多くは高齢者と女性です。また、青壮年の失業者が就職したこともあるでしょう。

 既に安定した職を得て十分生計を立てている恵まれた人から見ると、自分の給与はあがっていないと思うかも知れませんが、失業者はもちろん、働きに出ることが難しかった高齢者世帯や、妻がパートにでるようになった世帯にとっては、ありがたいことかと思います。
 
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