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2019年バックナンバー

雑記帳

元号と西暦

 平成30年8月19日、政府は2019年5月1日の新元号への切り替えに関し、公文書への西暦表記を義務付けない方針を固めています。
 
 元号と西暦を併記したり、西暦に統一したりする方針は示さず、各省庁や自治体の個別の判断に委ねます。
 慣例で元号を使ってきた省庁や自治体が多く、改元前後の国民生活への影響や混乱を避けるねらいがあります。
 
 現在、公文書に和暦の記載を義務付ける法令はなく、西暦を併記する明確な基準もありません。
 
 政府は、改元に合わせて公文書に和暦と西暦の併記を義務付けるなどのルール策定を検討しました。
 公文書の統一性やわかりやすさを確保するためです。
 
 もっとも、近年は公文書に西暦を使う例は徐々に増えています。
 地方自治体で西暦を併記しているところもあります。
 なお、昭和のころから、パスポートは西暦表示でした。
 
 また、マイナンバーカードの有効期限には西暦が使われていますし、警察庁は免許証の有効期限の表記を来春以降に元号から西暦に変えはじめています。
 ちなみに、私の免許証は、平成31年9月〇日まで有効と記載されています。次の更新からは、西暦併記となるでしょう。
 
 ただ、裁判所は、元号を使用しつづけると思います。
 
 裁判所は、役所中の役所です。
 
 また、弁護士や検察官という、裁判官と同格のプロが主たる役割をはたしていますし、弁護士や検察官が、元号でものを考え仕事をしています。
 
 裁判所の事件番号も、判決書や審判書も、日時は元号で記載されています。
 
 裁判官は元号で日時を考えています。
 ということは、弁護士が、民事事件の訴状や準備書面、あるいは、家事事件の主張書面の日付を元号でかかずに西暦で書いてしまうと(過払いなどを除きます)、裁判官に余分な手間をかけてしまう恐れがあるわけです。
 
 裁判官の機嫌を損ねることはしたくないですね。
 
 また、相手の弁護士も、大きな迷惑をかけてしまいます。
 
 一生医師にかからないことは難しいですが、一生弁護士に依頼しないで生涯を終える人は多数派でしょう。
 
 弁護士に依頼する以上、事件に関する日時は、元号で考えなければならないということになります。
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