本文へ移動

2019年バックナンバー

雑記帳

司法試験受験者数が5000人を切る末期的症状

 

 法曹への需要があるという触込みで、法科大学院制度まで創設してまで、司法試験合格者を大増員したのですが、結果は想定していたものとはほど遠い法曹への需要しかなかったため、あっという間に弁護士過剰になり、学生からは見向きもされなくなったということです。
 合格率は約30%です。
 
 これまではどうでしょう。
「年」「受験者数」「合格者数」「合格率」の推移です。
 
1992年 2万1431人  630人  2.9%
1993年 1万7714人  712人  4.0%
1994年 1万9408人  740人  3.8%
1995年 2万1272人  738人  3.5%
1996年 2万1921人  734人  3.3%
1997年 2万3592人  746人  3.2%
1998年 2万6759人  812人  3.0%
1999年 2万9890人 1000人  3.3%
2000年 3万1729人  994人  3.1%
2001年 3万4117人  990人  2.9%
2002年 4万1459人 1183人  2.9%
2003年 4万5372人 1170人  2.6%
2004年 4万3367人 1483人  3.4%
2005年 3万9428人 1464人  3.7%
2006年 3万2339人 1558人  4.8%
2007年 2万7913人 2099人  7.5%
2008年 2万4464人 2209人  9.0%
2009年 2万2613人 2135人  9.4%
2010年 2万1386人 2133人 10.0%
2011年   8765人 2063人 23.5%
2012年   8387人 2102人 25.1%
2013年   7653人 2049人 26.8%
2014年   8015人 1810人 22.6%
2015年   8016人 1850人 23.1%
2016年   6899人 1583人 22.9%
2017年       6716人 1543人 25.9%
2018年       4830人 1525人 29.1%
 
 私が受験した昭和52年(1977年)は、表にさえ現れていません。
 
 受験人数2万9214人、合格者465人、合格率1.59%でした。
 合格率1.59%は、最初の年から現在まで、最も合格率が低かったようです。
 合格者の平均年齢は27.74歳となっています。
 修習終了時の平均は、27.74歳に、0.5年(合格から修習開始まで)+2年(司法修習期間)を足すと30.24歳で、裁判官、検察官、弁護士になっています。
 死亡者がいないとすると、平成31年4月時点で、69歳が平均年齢となります。
 現実には、やはり年長者からなくなっていますから、もっと若いでしょう。
 
 私が受験した昭和52年(1977年)ころは、前後とも同じくらいの受験者数、同じくらいの合格者数でした。
 
 引退していくのは、私より10年くらい上の人たちで、引退していく数は、毎年500人くらいです。
 
 毎年1500人司法修習生が採用されれば、裁判官と検察官はあまり増えていませんから、弁護士のみが増え、あと20年くらいは、1500人-500人で、毎年1000人は増え続けます。
 
 
 司法試験合格者が1999年にちょうど1000人なっています。1000人にまで合格者を減らしたとしても、45年弁護士を続けるとして、2043年まで増加します。
 
 司法試験合格者が2005年にほぼ1500人になっています。1500人にまで合格者を減らしたいとしても、45年弁護士をつづけるとして2049年まで増加します。
 
 あと、25年から30年は弁護士が増え続けます。
 絶対減らない計算になります。
 
 弁護士冬の時代は、まだまだ続きそうですね。
TOPへ戻る