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2019年バックナンバー

雑記帳

嘘と記憶力

 ピエール・コルネイユ(Pierre Corneille。17世紀フランスの劇作家)の迷言に「嘘をついた途端に、良い記憶力が必要になる」(劇「断片」より)というのがあるそうです。ピエール・コルネイユは100フラン札にえかがかれたこともある有名な劇作家です。 
 
 もちろん、嘘をつくこと自体は犯罪ではありません。
 
 嘘をついて財物を騙取する(騙しとる)と詐欺罪になりますし、その他、刑法あるいは各特別法に犯罪となる嘘は限定列挙されています。
 
 ある程度のお世辞も、厳密に言うと「嘘」ということになるのでしょうが、社会生活の潤滑油です。思ったとおり正直にいっていたのでは、円満な社会は成り立ちません。
 
 子供は全て「かわいい」ですし、大人は美男美女ぞろい、高齢者は全て若く見え、医師・弁護士は全て腕がいい-ということにしないと、円滑な社会が営めません。
 
 「嘘をついた途端に、良い記憶力が必要になる」というのは間違いありません。
 
 嘘は「本当の自分ではない」という理由で、記憶から消え去りやすいものです。
 
 本当のことならば何年経っても「真実」に基づいて話をしている分、思い出しやすいのですが、「嘘」となると事実とは異なるために、時間が経つとだんだん忘れてしまいます。
 
 嘘をついて、あちらこちらで違うことをいうと、嘘がばれます。
 ですから、嘘をつくなら、すべて同一の嘘を、つき続けないといけなくなります。
 記憶力がいくらあってもたりません。
 嘘がばれても構わないという人は別ですが・・・
 
 
 韓国のミサイル駆逐艦広開土王による、海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題で、よくわかります。
 
 韓国は、暗く荒れた海で、ミサイル駆逐艦広開土王は遭難した北朝鮮の漁船を捜索するため、火器管制レーダーを利用していて、海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを使用したと主張していました。
 
 火器管制レーダーを使用するなど、北朝鮮の船は、空中を飛んでいたのかと揶揄されました。
 
 海上自衛隊のP1哨戒機からの映像が公開されると、暗く荒れた海ではなく、晴天で凪いだ海でした。
 北朝鮮の船をレーダーなどで探す必要はないということがわかりました。
 
 また、海上自衛隊のP1哨戒機から、3つの緊急用周波数を利用して、応答を求めていたこともわかりました。
 韓国は、火器管制レーダーの使用を否定することになりました。
 
 また、海上自衛隊のP1哨戒機からの音声が聞きとれなかったという言い訳も、晴天で凪いだ海で伝搬が聞き取れないはずはないこと、聞き取れないなら、なぜ聞き返さないということになります。
 最初、何を述べていたのか、完全に忘れています。
 
 海上自衛隊のP1哨戒機は韓国艦艇の上空や低空を飛行するなど、むしろ「威嚇飛行」を行っていたというふうに争点をそらそうとしました。
 
 といっても、ミサイル駆逐艦広開土王は火器管制レーダーを利用したと既に発表したことはくつがえりません。忘れたとでも思っているのでしょうか。
 
 そうは発表したものの、海上自衛隊のP1哨戒機が、韓国艦艇の上空や低空を飛行するなどの証拠は提出できません。
 「脅威と感じたから脅威だ」というのでは話になりません。
 
 海上自衛隊は、P1哨戒機が、ミサイル駆逐艦広開土王から受けた火器管制レーダーの音声を公開しました。
 まともな反論はできません。

 何の証拠もありませんから、「ねつ造だ」とか「そんなものは証拠にならない」と主張するしかありません。
 
 嘘をついて、あちらこちらで違うことをいうと、嘘がばれます。
 ですから、嘘をつくなら、すべて同一の嘘を、つき続けないといけなくなります。
 記憶力がいくらあってもたりません。
 
 韓国は、嘘がばれても構わない、開き直るということですね。
 ただ、誰も信用してくれなくなります。
 既に、どの国も信用していないと思いますが・・
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