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2019年バックナンバー

雑記帳

地獄への道は善意で敷き詰められている

「地獄への道は善意で敷き詰められている」(英:The road to hell is paved with good intentions)という言葉があります。

 

 よかれと思ったことが、かえって、人々を地獄につきおとすということです。

 朝鮮日報・平成30年12月23日付記事
 

---引用開始---

 

 韓国での最低賃金の急激な引き上げ政策もじきに経営学や経済学の教科書に載ることになるだろう。

 

 韓国政府は昨年7月、2018年の最低賃金を16.7%引き上げることを決めた。直後から「そんなに上げたら、経済的弱者層が仕事を失う」とする警告が相次いだ。

 

 しかし、ムン・ジェイン大統領は「最低賃金時給1万ウォン(約1000円)は単純に金額ではなく、人間らしく生きる権利を象徴するものだ」とし上で、「経済的効果の面でも来年から経済成長率を高める効果を生むと予想される」と指摘した。

 

 実験対象になった経済主体は、今年1年間それぞれ生存ゲームを始めた。

 

 零細中小企業と自営業者は人員削減を選択した。
 10人を雇っており、給与水準はほぼ同じという状況で、2人を削減する場合に誰を選ぶか。

 

 主な解雇対象は非熟練労働者、アルバイト、身体障害者など社会的弱者階層だ。

 

 韓国統計庁によると、青少年、警備員、駐車場管理員のような単純労働従事者が先月、前年同月比で10万1000人減少した。

 

 過去最大の減少幅だ。最低賃金の上昇を最初は喜んだ労働者にとっては晴天のへきれきだ。一部の経営者は事業自体を断念し、海外に脱出している。今年1-9月の中小企業による海外投資は昨年通年の数字を既に上回った。

 

 これで終わりではない。来年1月には最低賃金がさらに10.8%引き上げられる。
 時給8350ウォンに週休手当を加えると、1万20ウォンになる。週休手当は週15時間以上勤務した労働者に支払われる有給休日1日分の手当だ。

 

 韓国、台湾、トルコにだけ存在する制度だ。会員数20万人を超える自営業者インターネットコミュニティーでは、「来年からは週休手当までは支払えないため、アルバイトを(週15時間を超えないように)分けようと思う」「既に7人に分けて働いてもらっている」といった情報が飛び交っている。「これほど自営業者を窮地に追い込む政策は理解できない」という嘆きも聞かれる。

 

 韓国政府は最低賃金引き上げの速度調節を検討するとしている。

 

 ただ、来年7月に決定される2020年度の最低賃金で考慮するということであって、来年度の引き上げ分に関する言及はない。来年は各企業が緊縮経営を決めるほど、景気の下振れが予想される。

 

 このままでは最低賃金引き上げは非熟練労働者を雇用の場から追い出す事態を招くだけだ。ニューヨークの病院で手術を受けられず、病室で死んでいった患者のように、非熟練労働者は誤った政策のいけにえになりつつある。

 

---引用終了---

 

 実体経済にそぐわない最低賃金を定めれば、雇い主は、首切りによる人員整理をし、残った人員に。同一時間で多くの仕事をさせるという「過徴労働」を労働者に強いるということはわかっています。

 

 そうしなければ、雇い主である企業や個人は、他業者との競争に敗れ、敗退していき、雇用自体がなくなります。

 

 韓国では失業問題が深刻で、とりわけ若年層の失業が深刻です。

 

 韓国政府は、若年層の失業対策として、庁舎の掃除や、大学で無人の教室の電気を消す等の仕事を供給しているのですが、これからのスキルアップが必要になる20代がする仕事ではありません。

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