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2012年バックナンバー

消費税の増額

消費税の増税法案が、今国会で無事成立しそうです。

 もとより、増税に賛成する人間はいないのですが、消費税を増税をしない限り、国債残高が増続け、破綻するのは目に見えています。
 また、日本の国債の格付けは、日本の消費税が5%と低く、消費税増税により財政改善がなされる余地がありますから、現在の格付けになっています。消費税の増税ができないということになれば、格付けは低くなり、国債価格は低下して、新規発行国債の利息負担分が増加してしまいます。

 誰でも一律に支払う消費税は、累進課税される所得税よりも、低所得者の負担が重く、不公平、不平等な仕組みだと批判されます。

 消費税は金持ちも貧乏人も、買い物をするたびに例外なく課税されます。年収1億円の大企業の社長でも、月収が20万円のパートでも、コンビニで100円のパンを買えば消費税額は等しく5円課税されます。
 ただ、年収1億円の大企業の社長の5円と、月収が20万円のパートの5円では「重み」がちがいます。

 また、所得税をめぐって「9・6・4(クロヨン)」や「10・5・3(トーゴーサン)」という言い方でサラリーマンから文句が出ます。
 クロヨンは、課税される所得を税務署に捕捉されている割合で、サラリーマンなど給与所得者の場合は9割。これに対して自営業者は6割、農林水産業者は4割程度でしかない状態を言い表しています。
 トーゴーサンピンは、末尾に政治家の補足率1割を加えて「10・5・3・1(トーゴーサンピン)」と言うこともあります。
 自営業者の収入は、そう簡単にごまかせるものではなく、私的な飲食費を接待費、自家用車を営業用として申告するといった方法により支出をふくらませられるということは間違いないようです。
 なお、非合法に集めたヤクザの資金、空き巣に入った泥棒が隠し持つ金、これらとは全く性質が違いますが、生活保護受給者の生活保護費も、所得税を納めません。

 「養育費算定表」をご覧下さい。

 収入が「自営(所得)」「給与(所得)」で、目盛りが異なります。
 「給与(所得)」の6割7割として計算したものが、「自営(所得)」と等しくなるという計算です。
 裁判所が「964(クロヨン)」を公的に認めたとまでいわれることがあります。
 給与所得者は、「給与所得控除」のとおり、源泉徴収票の金額が必要経費を支出は控除していないのに対し、自営業者の確定申告は必要経費控除後ですから、差が出るのは当然なのですが、それで説明しきれない差があります。

 ある意味、消費税は「公平」です。

 ヤクザの資金、空き巣に入った泥棒が隠し持つ金、これらとは全く性質が違いますが、生活保護受給者の生活保護費でも、それを使えば等しく消費税を払わなくてはいけません。そうした実態に目を向ければ、平等な側面がないとは言えなくもありません。

 消費税の「不公平」さを是正するため「複数税率」が採用されることがあります。
 贅沢品に高額の消費税、一般消費財に一般の消費税、水・食料品には低額の消費税あるいは0という方式がとられることがあります。

 また、「給付付き税額控除」といって、収入がわずかで所得税を納めていない場合は、現金が支給されるという仕組みがあり、低所得者は支給される現金でその分は取返せるという仕掛けになっています。

 どちらを採用するにしても、国民一人一人の所得をきっちり把握できる納税者番号制が必要となります。
 後者は明らかでしょうが、前者についても、納税者番号制により、消費税の転嫁を正確にするために必要とされています。
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