2011年バックナンバー
弁護士の健康保険
ただ、東京近辺に事務所のある弁護士は、東京都弁護士国民健康保険組合に加入できます。
近畿圏で開業している弁護士は加入できませんし、近畿には弁護士国民健康保険組合がありません。仕方なく、市町村の国民健康保険に加入しています。
市町村の国民健康保険は母体が好ましくないので、弁護士などは、相当損をしてしまいます。
ちなみに、弁護士法人(1人法人も可能です)をつくればいいのですが、健康保険だけのために法人化するとなると、デメリットが大きすぎます。
私の場合を見てみます。
(国民健康保険・西宮市)
なお、地方公共団体により異なります。西宮市は阪神淡路大震災で、国民健康保険は全国レベルで見ても最高に近いです。なお、弁護士さんでも、軒弁さんや即弁さんは所得が少ないですから、安いのかもしれません。ただ、通常の勤務弁護士(イソ弁)さんは、1年目から、最高額です。
医療保険料 年額47万円
介護保険料 年額12万円
後期高齢者支援金保険料 年額9万円
合計年額 68万円
結構な額でしょう。
ただ、弁護士は、弁護士法3条2項によって、税理士と弁理士になる資格をもっています。大は小をかねるということでしょう。
ということで「めざとい」弁護士さんは、この制度を利用して税理士登録をします。
そして、近畿税理士国民健康保険組合に加入します。
(近畿税理士国民健康保険組合)
医療保険料 年額24万円
介護保険料 年額2万4000円
後期高齢者支援金保険料 年額2万4000円
後期高齢者組合員保険料 年額1万2000円
合計年額 30万円 「保険料」
なお、扶養家族0として計算しています。妻1人、子1人として17万円余の追加です。
大きな違いですね。
ただ、税理士登録をすると税理士会費年額11万円(弁護士に比べてなんと安い。弁護士は年額60万円近く)が追加で必要ですから合計41万円、でも、扶養家族がなしとすれば、68万円と比べ差額年間27万円がうきます。 ただ、健康保険は全額損金算入ですから、所得・地方税額の限界税率も考えると、年間14万円程度得になるくらいです。
なぜ、弁護士は税理士登録をしないのでしょう。
1 制度を知らない
2 制度を知っているが面倒だから
3 制度を知っているが、事件処理にあたり、税務上のトラブルに巻き込まれたとき高い注意義務を課される。税務調査の時「過少申告加算税」が「重加算税」にばける。
4 税務相談の割当てが来る。
最大の理由は1でしょう。
3は、登録の有無には関係ないでしょう。責任追及されるときは責任追及されます。私は、税務は税理士さんに相談してくださいといいます。 「弁護士への税務相談」 をご参照下さい。
また、自分の事務所の税務調査の時も、税務署員は、弁護士が税法に詳しいなどと最初から思っていません。
4は懇意にしている税理士さんに代わってもらえばおわりです。
実は、私は2です。
単なる不精者ということになります。特に、西宮市を愛しているわけではありません。
「いつか」「いつか」と思いながら現在にいたっています。
医療機関の窓口で「税理士さんですか」と聞かれることが嫌なわけではありません。