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2011年バックナンバー

弁護士を雇う?

一般の人に「弁護士を雇う」という方がおられます。

 弁護士と依頼者との間の関係は「委任契約」ですから、「依頼する」が正しい表現です。

 「雇う」というと、法律的には「雇用」となり、依頼者が弁護士に指揮命令ができ、弁護士が依頼者の指示に従う義務が生じます。
 「弁護士」を「雇う」という表現が誤りであることが、おわかりいただけたでしょうか。

 弁護士を「雇える」のは弁護士・弁護士法人、あるいは、企業内弁護士として弁護士を雇用する大企業くらいです。
 また、この場合にも、弁護士が雇用弁護士、企業の指示に全面的に従うことはありません。弁護士法、弁護士倫理(弁護士基本職務規程)が優先で、これに反する指示に弁護士が従う必要はありません。というか、従ってはなりません。
 発覚すれば、間違いなく懲戒を受けます。

 基本的に、社会的常識をわきまえた方が「弁護士に依頼する」という表現を用い、社会的常識に「?」がつく人ほど、「弁護士を雇う」という言い方をする傾向があるように思います。

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