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2013年バックナンバー

生活保護法改正

政府は、平成25年5月17日、生活保護の不正受給防止や就労支援策を盛り込んだ生活保護法改正案と、受給手前の人に自立を促す生活困窮者自立支援法案を閣議決定しました。

 1つ目の柱は、生活保護不正受給の問題です。

 本当に多額の税金を納めている人は「適正に税金が使われることを望んでいます」というのみですが、税金をさして納付していない人に限って「我々の血税を何と思っている」と興奮して大声を上げる傾向があるようです。

 弁護士の仕事をしていると、どうみても、いくら働いても、生活保護の受給者より収入が少ない人がいます。
 単純に収入を比べても意味はなく、生活保護受給者は、医療費がいりませんし、生命保険など各種保険代金もいりません。厚生年金に入っていない人は、国民年金料を納めなければなりません。

 不正受給の罰金(現行30万円以下)を100万円以下に引き上げ、上乗せ規定がない返還金についても不正受給額の4割増しまで請求可能にします。
 当然ですね。

 地方自治体の調査権限を広げ、就労や扶養の状況、健康状態を過去の受給者も含めて調べられるようにします。
 扶養義務のある親族(直系血族と兄弟姉妹)が「扶養は困難」と回答した場合、事実関係の説明を求めることができるようにします。
 受給申請の際、本人の資産や収入、親族の扶養状況の書面での提出を義務づけます。

 申請手続きを厳格化する内容ですが、自治体が受給申請者を体よく追い返す「水際作戦を助長する」との批判もあるようです。

 書面化をする制度自体は悪くありません。
 できれば、現在受給中の人から書面を出させてもいいくらいです。
 今は、最寄りの法テラスに行けば、弁護士が、自治体への受給申請を手伝ってくれるというサービスがあります。
 この制度を広報すべきでしょうね。

 2つ目の柱は、自立支援です。

 地方自治体に就労や住まいなどの相談窓口を設け、住居を失った離職者には住居確保給付金を支給する。軽作業を通じ、通常の仕事ができるように訓練する「中間的就労」を制度化します。
 受給者の労賃の一部を積立金とみなし、生活保護から抜けた時に支給する「就労自立給付金」を新設します。自立するとすぐに税や社会保険料を払わねばならず、そうした当面の生活費を賄えるようにするとの狙いです。
 また、困窮者自立支援法で、すぐには就労できない人を対象に、清掃など比較的簡単な作業機会を提供する「中間的就労」を導入し、本格就労につなげる仕組みを導入します。

 基本的に、生活保護法の改正は、正しいと思います。
 私は「我々の血税を何と思っている」という立場ですから、税金をさして納付していないということになるのでしょうか。
 そうかも知れません。

 生活保護受給者は、平成25年1月時点で、215万人超と過去最多を更新し、平成25年度予算の保護費は国と地方合計3.7兆円に達したそうです。
 すごい金額ですね。

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