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2013年バックナンバー

福島第1原子力発電所付近の地下水の海水投下

平成25年5月13日、福島県漁業連合は、いわき市で組合長会議を開きました。

 福島第1原子力発電事故で生じた地下水を、海に流す東京電力の計画を認めるかどうかを話合いましたが、反対意見が出て結論を先送りとなりました。
 平成25年5月中に予定された計画の実施は不可能になりました。

 福島第一原子力発電では、1日400トンの地下水が、敷地の山側から壊れた原子炉に流れ込み、汚染水を増やしています。
 汚染水は、タンクに入れて保管していますが、地下の貯水池にためた汚染水の漏出が発覚したばかりですね。
 敷地内の貯蔵タンクの汚染水の漏出事故などが心配ですし、いずれ(といいますか「貯水池」に貯めようとした時点でアウトでしょう)保管場所も足りなくなります。


 東京電力は、原子炉の手前に井戸を掘り、地下水をくみ上げて海に流すこととし、これで1日の流入量を約100トン減らせるとしています。

 海に放出するのは、原子炉に流入する前の水です。
 もっとも、東京電力の検査では、地下水には放射性水素(トリチウム)などが少量含まれるていますが、地表の汚染物質が雨水とともに浸透しているのは当たり前でしょう。ただ、1リットル当たり最大450ベクレルで、世界保健機関(WHO)が定める飲料水の水質ガイドラインの同1万ベクレルよりはるかに低いそうです。

 冷静に考えれば、原子炉に流入する前の水を海に放出すれば、1日400トンの汚染水が、1日300トンに減ります。
 「悪い」話ではありません。


 漁業関係者には、原子炉に流入する前の地下水ではなく、「汚染水」を混同している人もいるそうです。

 もっとも、たとえ汚染される前の地下水だけだと言われても、海へ流されるのは、もういやだというのが、漁業関係者だけでなく、多くの福島県民の認識ではないでしょうか。

 漁業関係者にとっては「死刑宣告」に値するかも知れません。

 しかし、地下水を海に放出しないと、破綻が早まります。

 もっとも、もはや対策はありません。
 残念ながら、お手上げです。

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