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2013年バックナンバー

国名の混同

ボストン・マラソンのテロ事件を受けて、アメリカでは、チェチェン共和国への関心が急に高まっています。

 「爆破事件の容疑者は2人ともチェコ共和国出身だ」など、「チェコ」と「チェチェン」を混同する人が多いようです。

 駐アメリカチェコ大使は、大使館のウェブサイトで「容疑者についての情報が明らかになるにつれて、非常に不幸な誤解が起きていることを懸念する」「チェコ共和国とチェチェンは全く異なる。チェコは欧州中部の国家で、チェチェンはロシア連邦の一部だ」と混同しないよう呼びかけました。

 チェコは「Czech」、チェチェンは「Chechnya」ですから、混同するほど似てません。

 チェコは、その昔、チェコ・スロバキアという国で、チェコ共和国とスロバキア共和国に別れましたが、その片割れの国です。

 「チェコ」と「チェチェン」を混同するくらいなら、チェコ・スロバキアの片割れである「スロバキア」(Slovakia)のほうが、まぎらわしい国があります。「スロベニア」(Slovenia)です。
 諸説ありますが「スロバキア」も「スロベニア」も「スラヴ」(Slav)が起源といわれています。
 その昔「スロバキア」と「スロベニア」という国はなく、「スロバキア」はチェコ・スロバキアが分離し、「スロベニア」はユーゴスラビアから独立した新しい国です。
 「スロバキア」も「スロベニア」もEUに加入していますし、どちらもユーロが通貨です。


 そういえば、全く語源が異なるのに、オーストラリアとオーストリアもまぎらわしいですね。
 「オーストラリアとオーストリア」をご覧下さい。


 一般にそうですが、「いいこと」があると、自分の国と混同されても、放置しておきますが、「悪いこと」があると、自分の国と混同されないように宣伝します。

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