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2013年バックナンバー

法学部の不人気

大学の法学部の人気が落ちているそうです。

 平成25年3月の国公立大2次試験で、法学部だけが突出して不人気だったそうです。
 全国158大学534学部での総志願者数は、3年前度同じく約29万でした。
 法学部の出願者は約2万3000人で、3年前に比べて8%も減っています。

 競争率は、京都大学前期では2.4倍で、経済学部や教育学部が3.9倍だそうです。
 東京大学も、東京大額(教養学部文科I類=法学部進学が前提)でも2.92倍で3倍を下回り、13年ぶりに第1段階選抜が行われなかったそうです。

 なぜなんでしょう。

 東京大学法学部といえば、高級官僚や裁判官・検察官・弁護士などの法律家を多く輩出しています。学者になるか、外交官になろうかというのも多かったですね。

 今でもそのようですが、東京大学法学部は、1類(私法コース)、2類(公法コース)、3類(政治コース)と別れています。

 どれでも好きなコースを選べます。
 単に、卒業に必要な必修科目が違うだけです。
 私法コースは、卒業に必要な必修科目は司法試験の科目と同一、公法コースは、卒業に必要な必修科目は国家公務員試験の科目と同一、政治コースは、卒業に必要な必修科目は外交官試験の科目と同一でした。

 ちなみに、私は、2類(公法コース)を卒業しています。
 法学部進学当時(3年生)は、公務員を目指していたということになりますね。
 変更した理由は、さほど賢くもない国会議員が偉そうにしているから、公務員はやめたという簡単なものです。もともと、私は、愛想がいい方ではありません。年とともに、体と同じく「丸く」はなってきていますが・・

 その他の就職先は「民間」とひとくくりにされ、国家公務員試験も受験しなくていい、司法試験受験しなくていい、外交官試験も受験しなくていい、「優」をそろえて助手になる必要もない、優雅な学生生活を送っていました。


 法学部人気の凋落は、法律家になろうとする人、公務員になろうとする人が、少なくなったということです。

 まず、法律家になるためには、法学部を出てから法科大学院に進み、司法試験に合格しなければなりません。
 司法試験に合格したとしても、合格者2000人の時代ですから、裁判官、検察官になれるのはごくわずかですし、転勤は嫌ですね。また、弁護士になろうとしても、法律事務所などへの就職もままなりません。
 法律事務所に就職できたとしても、40年ともいわれる弁護士生活を無事送れるという保証もありません。

 公務員、いわゆる高級官僚への道ですが、昨今の官僚バッシングは、私の大学時代と質が違うようです。給料も安いですし・・


 まだ、経済や経営を勉強したほうが利口かも知れません。
 もっとも、公認会計士は、弁護士よりも悲惨な状況のようです。
 やはり気楽なサラリーマンでしょうか。

 受験生の心理は、将来の職業を見すえたものになります。
 この傾向は、人気学部にも見られます。
 医学、薬学、看護などに人気があります。
 同じ医者でも歯科医師は「食えません」から、人気は今ひとつです。

 安定した生活が重要なことはいうまでもありませんが、小学生が、将来なりたい職業を聞かれて「正社員」というのも、すごい話ではあります。

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