よもやま話 バックナンバー1/2
「あわび」と「とこぶし」
「あわび」と「とこぶし」の違いをご存じでしょうか
分類学上は「あわび」が「軟体動物・腹足類・原始複足目・ミミガイ科・アワビ属」、「とこぶし」が「軟体動物・腹足類・原始複足目・ミミガイ科・トコブシ属」です。
「属」の段階でちがっています。
「あわび」の語源については「合わぬ身」、「合わす身」など多くの説があり、「とこぶし」は、岩棚の間に張り付いている姿から「床伏し」という説がありますが、はっきりしません。
「あわび」と「とこぶし」は、いずれも「ミミガイ科」の貝です。
大型になる種を「あわび」といいい、成熟しても小型の種を「とこぶし」と呼ぶ傾向があります。
区別の方法としては、殻に開いた孔の数が、4ないし5が「あわび」、6ないし9が「とこぶし」です。
市場でも、「あわび」類の若い個体を「とこぶし」として販売していることもありそうです。
「あわび」は生食、蒸物、煮物、「とこぶし」は、蒸物、煮物で食べ、生食はしないようです。
ちなみに、味は、水産業者でも「目をつぶって食べたら、どちらかわからない」という程度のものだそうで、インターネットのサイトを見ると、「あわび」が1kg、1万0500円、「とこぶし」が1kg、4200円と、「あわび」の方が高いようです。