よもやま話 バックナンバー1/2
ウィンナー
「ウインナーコーヒー」のことを、ウィンナーソーセージが添えられた(あるいは、ウィンナーソーセージがカップに入った)コーヒーであると、勘違いしていた方おられませんか。
もちろん、「ウィンナーコーヒー」とは、ミルクをたっぷり入れた、あるいは、ホイップクリームを浮かべたコーヒーです。
ウィンナーソーセージとウィンナーコーヒーは全く関係がないのでしょうか。
「ソーセージ」とは肉の腸詰め全体のことをいう英語です。
本場、ドイツ語では「Wurst」といいます。
ドイツ語圏には、様々な種類の「Wurst」があります。
「Frankfurter Wurst」は、20ミリ以上の直径の豚腸で作ったソーセージです。
「Wiener Wurst」は、20ミリ未満の直径の羊腸などで作ったソーセージです。
フランクフルト(ソーセージ)の方が太く、ウィンナー(ソーセージ)の方が細いソーセージのことをいうと考えて、おおむね間違いはありません。厳密には、若干違いますが・・
これに対して、「ウィンナーコーヒー」とは、ミルクをたっぷり入れた、あるいは、ホイップクリームを浮かべたコーヒーの事で、ウィーンが発祥の地なのでそう名づけられました。
ちなみに、ウィーンで「ウィンナーコーヒー」(Wiener Kaffee。Vienna coffee)と注文しても何も出てきません。メニューにも載っていません。
オーストリアで、コーヒーにミルクをたっぷり入れた、あるいは、ホイップクリームを乗せたオーストリア風のコーヒーを注文するには、「メランジェ」(Melange)あるいは「フランツィスカーナー」(Franziskaner)を注文します。
「メランジェ」(Melange)を頼むと、エスプレッソコーヒーにミルクを加え、さらにミルクを熱しつつかき混ぜて作った泡を乗せたものがでてきます。
「フランツィスカーナー」(Franziskaner)を注文します。エスプレッソコーヒーにミルクを加え、ホイップクリームを乗せたものがでてきます。
その他、アインシュペナー(Einspaenner)というのもあります。
濃く入れたコーヒーに、コーヒーと同量くらいの生クリームを乗せたもので、カップではなくグラスででてきます。
「ウィンナー」は「ウィーン風の」ということですね。
その他、「ウィンナーワルツ」は、ウィーン風ワルツ、「ウィンナーシュニッツェル」は、ウィーン風の「カツ」です。