よもやま話 バックナンバー1/2
願掛け
「願掛け」とは何でしょう。
願掛けとは、神や仏に願いことを行うことで、病気の平癒、商売繁盛、縁結び、厄払いなどの個人的なものが多いです。
願掛けの方法は、百度参りのように神社・仏閣に多数参拝すること、「酒」絶ち・「塩」絶ちのような特定食物に対する断食、絵馬などの奉納などがあげられます。
これらに共通するのは、心身を清浄かつ堅固にし、なおかつ自身に苦行を課することで、神や仏にその願に対する真摯な姿勢を伝えることで、「神様」「仏様」の恩寵・霊験を期待するといわれています。
なお、満願成就の際には「額」や「幡」を奉納したり、お礼参り(弁護士が「お礼参り」という言葉を聞くと、別の意味の「お礼参り」を連想してしまいます)を行うことでその恩寵・霊験に感謝することが行われています。
断ち物とするものは、酒、茶、薬品などさまざまで、のちに自分の好物が多くなってきました
有名な例では、春日局の「薬絶ち」があります。
春日局は、三代将軍徳川家光の乳母で、幼いころ大病を患った家光の命を助けるために薬を絶ち、臨終の床にあっても一切の治療を拒否したことで知られています。
家光の幼いころの大病治癒の願いがかなった時点で「満願成」のはずですが、春日局は、「一生の薬絶ち」で「願掛け」して、神や仏の恩寵・霊験を期待した以上、自分が死ぬまで「神や仏」との約束である「薬絶ち」を守ったものといえます。
自分が「薬」を飲んで、約束を破って、三代将軍徳川家光が、重病にかかっては大変です。
もちろん、三代将軍家光が、先に春日局より先になくなれば、神や仏が、約束を破ったことになりますから、薬を飲んでも「罰」はあたらないでしょうが・・