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トリビア バックナンバー 1/2

禁忌問題

私が司法試験を受験したときには、択一試験、論文試験、口述試験があったのですが、択一試験には、他の国家試験ではみられない回答がありました。

 5者択一で、「以下の5つのうち正しいものを選びなさい」「以下の5つのうち誤っているのを選びなさい」、ここまでは普通です。

 当時の司法試験には「ゼロ回答」というのがありました。
 「正しいものを選びなさい」という設問で、すべて誤りという問題があり「1」「2」「3」「4」「5」「なし」と回答欄が6つあり、逆に、「誤っているものを選びなさい」という設問で、すべて正しいという問題があり「1」「2」「3」「4」「5」「なし」と回答欄が6つありました。

 「1、3、4、5が間違っているから、消去法で正しいのは2」というわけにはいかず、これはこれで難問でした。「1、3、4、5が間違っている」ことが100%わかっていても、「2が正しいかどうかわからない」ということで当てずっぽうに回答すれば50%の正答率になります。

 もっとも、正しいものが1つわかりさえすれば、「ゼロ回答」があるかどうかに気遣う必要はありません。

 ゼロ回答ありの90問を270分、1問あたり3分で解いて、合格ラインが70問前半ですから、正確な知識を持っていないとだめ、迷っているようではだめということになります。
 法律家には、スピードが要求されていることがわかります。
 時間をかけて正解を出すレベルではだめ、とにかく「迅速」かつ「正確」に回答することが必要不可欠ということですね。
 実務家になってみれば、スピードが大切ということはよくわかります。


 法律家に「迅速」を求めているのに対し、医師国家試験では「禁忌問題」といって、「この間違った選択肢を選ぶような人は医師にはできない」という「地雷問題」が設定されています。
 歯科医師、看護師も同じです。
 もっとも、「地雷問題」は1つ誤りであれば不合格ではなく、2つ以上間違えれば不合格となっているようです。マークミスもあり得るからです。

 医師が、人の命を預かる以上、当然かも知れません。
 もっとも、「ミスが許されない」というのも、大変な仕事です。

 精神科では、うつ病の患者さんに対する処置として、「頑張れ」と励ますことが正しいと回答すれば、禁忌問題の地雷を踏んで、このようなミスを2つすれば、他は全問正解でもアウト、医師になる資格はないということですね。
 一流国立大卒業生が、医師国家試験に落ちるのは、「禁忌問題」=「地雷問題」に無造作に答えた人が多いという話を聞いたことがあります。


 法科大学院ができたためなのか、合格者を増やしすぎたためなのか知りませんが、司法修習生の卒業試験(2回試験)で、「不動産を即時取得できる」と回答した司法修習生がいたそうです。なぜ、そのような人が、どのようにして司法修習生になることができたか疑問といえば疑問です。

 法律家の試験にも、医師国家試験と同様、「禁忌問題」をつくればいいという考え方もあるのでしょうが、「不動産を即時取得できる」と考えたところで、人が死ぬわけでもありません。
 裁判官に「先生、ここの点、ご検討願えませんか」といわれて終わりですね。どの問題でも同じです。
 司法試験は、迅速に回答しなければ合格はできないとしても、どの問題を間違えようが、総合計で何点以上は合格で問題はないのでしょうね。
 時効、控訴期間、抗告期間、控訴理由書提出期間、上告・上告理由書提出期間などは、それだけでアウトになる大切なものですが、まあ、一度戒告になれば、気をつけるでしょう。

 そういえば、「禁忌問題」があったら合格しているはずはないという弁護士さんも・・

西野法律事務所
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