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IMF報告中国の債務拡大に懸念
国際通貨基金(IMF)は、平成29年8月15日、中国経済に関する年次審査報告書を発表し「拡大する官民の債務が「中期的に成長を急減速させる恐れがある」と懸念を示しました。
これとあわせ、成長持続のため、内需拡大など経済改革の加速を改めて促しました。
また、政府と民間の債務が膨らみ続け、2022年までに合計でGDPの3倍近くに達すると予想しました。
中国の場合、「民間」といっても、日本など先進国の「民間」ではありません。
ちなみに、日本の、平成28年の国債等の債務残高はGDPの232.4%です。
さらに、中国からの資本流出については、規制強化で緩やかになったものの、米国の利上げペース次第では、再び流出が加速する可能性があると分析しています。
これとは別に、中国の金融システムに関するアナリスト(フィッチ・レーティングスの中国金融機関担当アナリスト)が、中国の不良債権は公式統計の数字を6.8兆ドル上回るとの推計をまとめ、中国政府が人為的に市場を安定させているために根本的問題が放置されていると警告を発しています。
同アナリストは最新のリポートで、中国の金融システムの不良債権は今年末までに最大で51兆元(7.6兆ドル)に達すると推計しています。
公式統計上の延滞債権と要注意先債権の総額の5倍超に相当します。
この推計に基づく不良債権比率は34%となり、平成29年6月末時点の公式統計値5.3%を大きく上回るというものです。
中国の経済統計は信用できるものではないというのが一般的な見方です。
李克強首相が、遼寧省の元党委員会書記であった平成19年に、米国大使に、遼寧省のGDP成長率など信頼できません。私は省の経済状況をみるために、省内の「鉄道貨物輸送量」「銀行融資残高」「電力消費の推移を見ていますと語ったとされているくらいです。