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2015年~2017年バックナンバー

スイスのバスによる峠越え

 今年のお盆休みにスイスを旅行してきました。
 
 鉄道で移動するのもいいですが、バスで移動したり、湖のクルーズも絵になります。
 
 スイスの鉄道といえば、氷河急行が有名です。
 
 ただ、氷河急行から氷河は見えません。
 元々は、氷河急行の走るオーバーバルト・アンデルマットのフルカ峠の区間で、ローヌ氷河が間近に見られることで人気でしたが、冬季は豪雪のため不通になってしまうという状態でしたから、新トンネルが建築され、1982年に運用が開始されました。
 
 フルカ峠越え路線は廃止され、全ての営業列車がトンネルを通過するようになりました。
 
 電車でダメなら、バスでローヌ氷河を見ようと考えることになります。
 
 日本のスイスのツアーは、夏季のツアーなら、オーバーヴァルトとアンデルマットとの間をバスで観光するというのが多いです。
 
 途中でフルカ峠(Furkapass)をとおり、ローヌ氷河(Rhonegletscher)を見ることができます。
 
 個人旅行なら、オーバーヴァルトからアンデルマット行きのポスト・バスか、アンデルマットからオーバーヴァルト行きのポスト・バスに乗車することになります。
 
 オーバーヴァルトからアンデルマット行きのポスト・バスは、グリムゼル峠を越えて、マイリンゲンまで行きます。
 
 もっとも、1日2便しかありません。
 
 ということで、私は、オーバーヴァルトからアンデルマット行きの午前8時のポスト・バスに乗って、フルカ峠でローヌ氷河を見にいきました。平成29年8月11日のことです。
 
 天気が悪いことはわかっていました。
 氷河をみることができないこともわかっていました。
 
 毎回、好天に恵まれるということは考えにくいです。
 
 フルカ峠のほぼ一番高度の高いところ手前のバス停で、バスが長時間止まりました。
 
 ポストバスですから、郵便配達も兼ねているわけで、配達先の人と話をしていました。
 
 雪のために、除雪車により除雪をするまで通行止めとのことでした。
 
 いくら高いところだからといっても、8月11日に大雪がふっているというのも珍しいことです。
 
 30分ほどして除雪車が除雪して、ポスト・バスは走り始めました。
 750ccのオートバイに乗っていた男性は、ものの見事に、雪道ですっころんでいました。
 幸い、怪我はなかったようです。
 
 ただでさえ、つづら折りの細い山道ですから、晴れていてもスリルがあるのに、雪が吹きつけてくるのではなおさらのことです。
 
 「下ろしてくれ」と言ったところで、峠の頂上付近にいるわけですから、下におりるためには、進むにせよ戻るにせよ、下りの雪道を走らなければなりません。
 
 事故がなかったからよかったものの「フルカ峠でバス転落。邦人死亡」という記事が、頭をかすめました。
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