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ベトナムへの巡視船無償供与
平成27年2月9日、時事通信社が、日本政府がベトナムに無償供与する1隻の中古巡視船が、平成27年2月4日、ベトナム中部のダナン港に到着し、ベトナム沿岸警備隊に引渡されたと報じられました。
在ベトナム日本大使館は9日、ベトナム沿岸警備隊に引渡された艦船が水産庁所属の「昇鶴」であることを明らかにしました。
艦船で「しょうかく」というと、日本海軍の空母「翔鶴」を連想しそうですが、全く違います。
昇鶴の全長は57メートル(約500トン)で、最高速度は14ノット(時速約26キロ)ですから、「中古」とはいえ、結構な艦船です。
日本政府は平成26年8月1日、ベトナムに6隻の中古巡視船(総額5億円)を無償供与すると発表しています。
中古で、6隻で5億円ですから、結構な艦船です。
残りの5隻は、平成27年夏までにベトナムに到着する予定です。
船舶は年内に供与する予定で、政府開発援助(ODA)の無償資金協力として実施し総額は5億円となります。
日本政府筋によると、船舶のうち2隻は水産庁所有の漁業監視船で残る4隻は民間漁船、いずれも中古で600~800トンクラスの予定です。
ベトナムで、第二の人生(船生)を送るということになりますね。
中国の海洋進出をにらみベトナムとの連携を進める日本政府は、ベトナムに対し政府開発援助(ODA)を使った巡視船供与を検討しましたが、ODA大綱は軍事的用途への使用を禁じていて、ベトナムの海上警察が軍組織である点がネックとなっていました。
平成25年9月1日、ベトナム政府は、海軍の一部だった海上警察を組織改編し、独立性の高い「沿岸警備隊」とすることを決め、平成26年10月12日発効しました。
組織改編により海軍と予算的にも区分され、英語名は日本の海上保安庁「ジャパン・コーストガード」と同様、「ベトナム・コーストガード」となり、船舶6隻を供与する無償資金協力が可能になりました。