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2018年バックナンバー

雑記帳

いずもの軽空母化

 政府は、海上自衛隊最大級の護衛艦「いずも」を、戦闘機の離着艦が可能となる空母に改修する方向で検討に入りました。

 

 自衛隊初の空母保有となり、2020年代初頭の運用開始を目指します。

 

 「攻撃型空母」は保有できないとする従前の政府見解は維持し、離島防衛用の補給拠点など防御目的で活用することにします。

 

 具体的には、以下のとおりです。

 

 平時の訓練または有事の戦闘準備の時に米軍機に対する給油が可能になります。

 

 米軍が日本の空母を活用する場合、中国と領土紛争がある島に対する自衛隊の防衛力増強につながります。

 

 在日米軍基地が破壊された場合に空母が代替滑走路の役割をします。

 

 航空機は、アメリカ軍のF35Bステルス戦闘機の運用を想定しており、日米連携を強化することで北朝鮮や中国の脅威に備える狙いがあります。

 

 山口県のアメリカ軍岩国基地には、F35B戦闘機10機が配備済みです。

 

 海上自衛隊の護衛艦「いずも」「かが」は、全通飛行甲板を備えた航空機運用能力を有する護衛艦で、全長248メートル、満載排水量約2万6000トンです。

 

 当初は、ヘリコプター14機を搭載の予定でした。

 

 空母化すれば、F35Bを約10機搭載できる見通しです。

 F35Bは、航空自衛隊が導入するF35A型の派生型で、米海兵隊に配備されています。

 

 空母よりも甲板が狭い上陸作戦用の強襲揚陸艦に搭載するため、短距離で離陸でき、オスプレイのように垂直着陸が可能です。

 

 レーダーに捕捉されにくい高度なステルス性を備えています。

 

 改修する場合、F35Bのジェットエンジンが発する熱に耐えられるように甲板の耐熱性を上げる必要があります。

 また、船首を、スキージャンプ台のように上げて、F35Bの離陸をしやすいようにすることも検討しています。

 

 自衛隊は、42機を調達する予定としています。

 

 既に導入を決めた空軍仕様のF35A計42機の一部をF35Bに変更する案、別に追加購入する案があり、来年後半に見直す「防衛計画の大綱」に盛込むことも想定しています。

 

 中国メディアの環球時報は「いずも」の進水時に「固定翼の戦闘機も搭載可能で、実際には軽空母だ」と批判していました。

 

 中国が批判するくらいですから、政府の方針は正しいのでしょう。

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